原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
映像コンテンツの配給を手がける「世紀優優(天津)文化伝播股份有限公司(100uu.com.cn)」が海外進出して6年になる。同社は2012年に設立。設立の一年後には海外事業の開拓を始め、現在は国内主要作品の海外著作権を所有している。
2014年、同社はYouTube中国エリアのコンテンツ提携パートナーとなった。現在YouTubeに60以上のチャンネルを所有、運営しており、その中には10数個のマイナー言語チャンネルも含まれる。世紀優優のコンテンツのYouTubeにおける平均閲覧回数は6000万回前後。YouTube以外にも東南アジア最大のOTT「Viki」や特定分野の動画プラットフォームにも中国語チャンネルやコンテンツを持つ。また、Apple TVや米TVストリーミングプラットフォーム「ROKU」、マレーシアの「Enjoy TV」などに向けてスマートテレビのセットトップボックスのオーダーメイドや字幕の提供を行っている。
同社が現在海外で配給している映像コンテンツは500作品以上にのぼるという。中には日本でも人気を博したドラマ「琅琊榜(ろうやぼう)―麒麟の才子、風雲起こす―」などの時代劇を初め、ラブストーリーやファンタジー、サスペンスドラマなど幅広いジャンルを含む。
このたび36Krでは世紀優優の創業者の1人で副総裁を務める李文娟氏にインタビューした。
ーー世紀優優は一般的にどのようなドラマを配給していますか。
「地域ごとに異なる。日本の視聴者は歴史を題材にしたドラマを好む。日本のユーザーの多くは専業主婦だが、大学卒業後に会社勤めをした後に家庭に入ったという、基本的にはインテリ層だ。作品を鑑賞する際には同時期に日本では何が起こったかを比較するなどロジカルだ。ベトナムの場合、サスペンスやファンタジーものの人気が高い」
ーー配給するドラマを決定する際にはどのような評価基準で行いますか。考慮すべきポイントは。
「買い付けの際には自社の評価システムがある。運営側と配給側双方が評価を行い、作品のテーマや俳優の顔ぶれ、ストーリーやターゲットとするユーザーグループなどを考慮する。我々は運営と配給の両方を行っているため、海外の動画プラットフォームなど企業側と接触すると同時に、ユーザーである個人側とも接触することができる」
「企業側のニーズに対しては、テレビ局の場合、該当地域ではどんなコンテンツが人気で、何に注意すべきかを理解していることが求められる。例えばグルメ番組などは特定の国では宗教的な理由からニーズがない。個人ユーザーに関しては主にオンラインでのデータ、例えば過去同様のカテゴリーのドラマや同じ俳優が出演した作品でのデータを参考にしたりする。オンラインでファン達と交流を行うこともある」
ーーどのような国家や地域向けに配給していますか。
「我々はまず東南アジアを非常に重視している。同じルーツを持ち、中国文化が何代にもわたって受け継がれており、受け入れられやすい。言語の面では多少問題があるが、解決は難しくない」
「次は北米だ。華人でも留学生でも、現地では非常に多くのファンがいる。この二つの市場は中国コンテンツの受容度とニーズがともに非常に高い」
ーー中国映像コンテンツの海外進出はどのような段階にあるとお考えですか。
「映像コンテンツの海外進出はまだ発展途上にあると考える。海外進出はずっと行われきたが、作品量が少なく、注目されていなかった。海外進出の萌芽期の作品としては、例えば『西遊記』は海外市場でひっきりなしに上映されており、ベトナムでは今も視聴されている。ベトナムだけでなく、多くの国で中国の代表的なドラマは人気があり、1998、99年に大ヒットしたドラマ『還珠格格』なども海外ではいまだによく視聴されている」
ーー他の海外配給会社と比べて、世紀優優の強みは何でしょうか。
「文化だ。映像文化業界はテクノロジー業界とは違い、とりでを築くのは容易ではない。しかし、それが文化というものだ。世紀優優はここ数年海外での配給を行い、海外市場での認知、ドラマの評価システム、運営システム、海外の顧客とのコミュニケーション方法などを積み上げてきた経験があり、最終的にはそれらを結集させることができるだろう」
(翻訳・山口幸子)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録