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無人配送車(自動配送ロボット)を開発する中国のスタートアップ企業「恵爾智能(Whale Dynamic)」がこのほど、シリーズAで数千万元(数億~十数億円)を調達した。資金は、自動運転技術の開発と製品の改良、海外市場の開拓などに充てられる。
2018年に設立された恵爾智能は、ハードウエアやアルゴリズムなどフルスタックの自動運転技術を活かして、自動運転レベル4(L4)の車両や関連製品の開発に注力している。現在、乗用車事業、小型車事業、自動運転ツールチェーンを提供するプラットフォームの3つを柱に、高度な自動運転ソリューション、協調運転プラットフォーム、高精度地図、自動運転クラウドサービスプラットフォームなどの製品ラインを構築した。
中国ではここ数年、低速で走行する無人配送車の需要が拡大しつつある。国家郵政局が発表したデータによると、2023年の中国の宅配件数は1320億件、1日当たり約4億件に上った。その物流コストの約50~60%を占めるのは、配送センターや営業所から目的地までの配送(ラストワンマイル)で、無人配送車はここで最も大きな価値を発揮する。
マッキンゼーは、向こう10年以内に小包の80%が自動配送されるようになると予測、2025年に中国の低速自動運転車の年間販売台数は19万台に上り、市場規模は物流分野だけで100億元(約2200億円)を超える見込みだという。
恵爾智能は、都市部の複雑な道路環境での活用に焦点を当て、特定のエリアを低速で走行する無人配送車のサービスを足がかりに、公道での自律走行が可能な小型車の開発に力を入れている。またLiDAR(ライダー)、カメラモジュール、センサーなどのメーカーと提携し、高価な輸入部品から国産部品への切り替えを進めることで生産コストの削減を図っている。
同社の製品は、高精度地図の作成、センサーフュージョン・ナビゲーションといったコア技術をベースに、実際の都市環境や極端な状況でのルート計画と車両制御を可能にした。不測の事態には同社の自動運転クラウドサービスプラットフォームを通じて、無人の自動運転車を遠隔で操作し、車両運行の信頼性を確保できる。
恵爾智能は現在、海外市場での提携を加速し、グローバル化を主要な事業戦略として、日本や米国など複数の国と地域に進出している。
例えば小売分野で、米国のオンデマンド型無人店舗を展開するRobomartや無人配送車のFactionと戦略的提携を結び、恵爾智能の技術や製品が2社の事業に導入されている。また、米国で200台を超える無人販売車を投入し、無人コンビニ、生鮮食品、フードデリバリーの分野で自動運転車の運用を進める計画だ。ほかでも大口の受注を獲得しており、最初の自動運転車の生産と引き渡しを近く完了する見通しだという。
中国市場でも複数の自動車メーカーやサプライヤーと提携しているほか、将来的には地方政府との協力も拡大し、特定の市街地で人を運ぶ自動運転サービスの提供を計画している。
*1元=約22円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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