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Q&Aサイト「知乎(Zhihu)」は11日、ライブ動画配信機能を正式にリリースした。ショート動画共有アプリの「TikTok(抖音)」や「快手(Kwai)」が収益化の重要な手段と考えるライブ動画配信が、今では知乎が商業化を進める上での新たな足がかりとなった。
TikTokを運営する「バイトダンス(字節跳動)」は、今年もライブ動画配信を重視する姿勢を強めている。今年3月にはライブ動画配信の業務効率を高める社内体制構築に乗り出し、ライブ動画配信の戦略上の位置づけを一段と引き上げたことが明らかになっている。
一定の集客力を誇るプラットフォームはいずれも、ライブ動画配信という「金のなる木」をものにしたいと考えている。そうでなくても、知乎は商業化が難航している。ライブ配信動画の収益力はすでに実証されており、知乎はコミュニティーサイトに応じたやり方を研究するだけで済む。
ライブ動画配信機能をリリースする前から、知乎には似たような機能があった。2016年5月、同社は「知乎live」をリリース。フォロワー数が多い有名ユーザーはこの機能を通じ、ライブ配信での質疑応答に加わり、ユーザーからの質問に回答することが可能となっている。良好な雰囲気を維持するため、知乎liveは当初は招待制を採用。招待された有名ユーザーのほとんどが各自の分野に精通しており、質の高い回答を行うことでフォロワーを積み重ねた。
知乎は今回リリースしたライブ動画配信機能でも招待制を採用している。質が高く、思想を重んじるとの定評があるコンテンツプラットフォームとして、商業化を慎重に進める必要がある。知乎liveリリース時の状況からも容易に想像できるように、ライブ動画配信機能に招待される有名ユーザーは大半が知乎の初期ユーザーであり、かつ特定分野の専門家だ。知乎はこうした有名ユーザーを導入期に取り込むことで、ライブ動画配信の質を保証するとともに、評価が高い口コミの獲得を促す必要がある。
これまで、一般ユーザーが知乎liveに参加するにはチケットを購入する、または配信を行う有名ユーザーから入場券を贈ってもらうという2つの方法があった。知乎のライブ動画配信機能はTikTokや快手のように具体的なハードルは設けられておらず、知乎liveよりも幅広いユーザーにリーチできるとみられる。
知乎の強みは各分野の優れたスレッド作成者が大量に集まっている点だ。長年にわたり、同社は常に「質の高い知識共有プラットフォーム」との高い評価を得てきた。そしてそれゆえに、多数の忠実なフォロワーを積み重ねてきたのだ。同社の創業者兼CEOの周源氏は今年4月、ユーザー数が1月時点で2億2000万人を突破し、回答数が1億3000万件に達したことを明らかにした。同社は今年、シリーズFでこれまでで最大規模となる資金調達を行っているが、リードインベスターを快手とIT大手のバイドゥ(百度)が務めたのは、同社が良質なコミュニティーとロイヤルティーの高いユーザーを抱えていることが大きな理由となっている。
一方、強みは弱みでもある。コミュニティーの雰囲気と商業化に舵を切ったことのバランスをどうとるのかが、知乎が取り組むべき課題になるだろう。また、スレッド作成者や公式アカウント登録企業が知乎の集客力を活用できるのか、活用できるとしてどの程度かということもはっきりしない。知乎はこれまでに「お気に入り推薦」機能をリリースしているが、スレッド作成者が商品を追加するには一定の要件や制限があり、機能を活用できるのはごく少数のKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーにとどまっている。
さらに、知乎は同業他社との競争にも直面している。TikTokや快手も知識コンテンツの共有に力を入れており、スレッド作成者を金銭的に支援している。
知乎は今年、商業化に向けたさまざまな動きをみせている。自身の収益力を強化するだけでなく、有名ユーザーの収益化実現を後押しすることも必要だ。同時にコミュニティーの雰囲気とのバランスも図らなければならず、決して簡単な道のりではないと言えるだろう。
(翻訳・池田晃子)
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