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リチウム電池の主要部品である負極材に今、大きな変化が起きている。2024年上半期、「量増価跌」(生産量の増加と価格下落)が中国の負極材業界のキーワードとなった。
商品情報サイト「百川盈孚」の最新データによると、リチウム電池負極材の中国市場の参考価格は、9月13日現在で1トンあたり約3万2400元(約60万円)。23年初めの5万3000元(約110万円)から約39%下落している。中国の24年上半期(1〜6月)の出荷量は、前年同期比28.2%増の約90万トンだった。
金融系調査会社「万得信息技術」のまとめによると、現時点で中国国内に上場する負極材メーカーは9社。うち、増収増益を果たした企業は2社にとどまり、増収したものの利益が伸びていない企業は2社、減収減益となっている企業は5社に上る。
産業データサービス「隆衆資迅」のアナリスト王莉莉氏は「24年上半期、中国の負極材の生産能力は新たに約64万トン増加した。しかし、川下での需要の伸びが供給量の増加に追いつかなかった。負極材料の生産能力が市場に吸収されるのが遅いため、かえって市場競争が激化し、結果的に負極材の生産能力の利用率が年を追うごとに低下するという事態を招いている」との見解を示す。
この難局を打開するため、新たな成長を目指して海外市場に目を向ける中国の負極材料メーカーが増えている。主な進出先は欧州や東南アジアだという。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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