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米アップル製品に詳しい天風国際証券(TF International Securities)のアナリスト・郭明錤(ミンチー・クオ)氏はこのほど発表したリポートで、iPhone 16シリーズは発表後最初の週末の推定予約販売台数が、昨年発売されたiPhone 15シリーズよりも12.7%少ない約3700万台にとどまったとの分析を示した。上位モデル「iPhone 16 Pro」の需要が予想を下回ったことが主な要因だという。
このリポートが影響し、9月16日のアップルの株価は一時前日の終値から3%近く下落し、2.78%安の216.32ドル(約3万円)で引けた。時価総額は939億ドル(約13兆4000億円)減少し、3兆2900億ドル(約470兆円)となった。
iPhone 16シリーズは、アップル独自の生成AI(人工知能)機能「Apple Intelligence」が搭載されることに期待が集まり、買い替え需要が促進されると予想されていた。しかし現在のところ、Apple Intelligenceの対応地域は英語圏にとどまっており、日本語や中国語への対応は25年になりそうだ。加えて、中国のスマホ市場で繰り広げられる激しい競争も、iPhone 16シリーズの需要低迷につながったとみられる。
クオ氏は、2024年のiPhone出荷台数は前年の3億1000万台から約38%減の約2億台になると予想している。主な要因のひとつは、ここ数年iPhoneの革新性に見るところがないため、消費者の期待感が低下していることだという。
注目すべきは、アップルがiPhone 16シリーズを発表したのと同じ9月10日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が注目の三つ折りスマホ「Mate XT」を発表したことだ。ファーウェイは世界最大のスマホ市場である中国で、アップルに対する優位性を拡大する構えだとみられる。
調査会社Canalysがによると、アップルは24年4~6月期にiPhoneの価格を引き下げたにもかかわらず、中国シェアは前年同期比2ポイント減の14%にとどまり、1~3月期の3位から6位に順位を下げた。
*1ドル=約143円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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