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人型ロボットを開発するスタートアップ企業「加速進化(Booster Robotics)」がこのほど、プレシリーズAで1億元(約20億円)を調達した。彼岸時代、民銀国際(Minyin International)、中関村科学城(ZGC Science City)、iCANXファンドが共同で出資し、既存株主の英諾天使基金(Innoangel Fund)も参加した。資金は主に汎用ロボットの製造とソフトウェア開発に使用される。
加速進化の程昊CEOは、現在の人型ロボットブームはAIがけん引しているとし、「AGI(汎用人工知能)には新しい機器が必要で、特に現実の世界に影響を与える機器が必要だ」と語る。そのため、人型ロボットのブレークスルーの鍵は、専門性から汎用性へと段階的に移行することだという。
これを実現するには、ロボットがさまざまなシーンでサービスを提供できるようにする必要がある。そのため加速進化は、最初の事業スタンスとして、開発者に「汎用二足歩行ロボットと運動制御アルゴリズムの開発プラットフォーム」を提供することに決めた。
開発者は加速進化の機器やプラットフォームを利用して、さまざまな場面で多様なタスクを実行できるようにロボットを訓練できるほか、他の開発者とも連携して生産性を大きく向上させることができる。
現在、かなりの数の人型ロボットメーカーが車輪付きタイプを選択しているが、加速進化では設立当初から技術難度の高い二足歩行ロボットの開発にフォーカスしてきた。
程CEOはドアを開ける場面を例に挙げて、人は通常、片足を前に、もう片足を後ろに置き、腰と股関節を連動させて力を入れると説明。そのため、二足歩行ロボットはより汎用性が高く、生活のほとんどの状況に対応でき、「人にできることは全てできるようになる」という。
加速進化が開発した二足歩行の人型ロボット「Booster T1」は、身長1.1m、体重29kgで、運動能力と安定性に優れている。
汎化能力を高めて多様なシーンに対応できるよう、同社はさまざまな活用シーンを模索している。例えば、8月に北京で開催された2024世界ロボット大会では、サッカーをする複数のロボットのデモンストレーションを行った。デモンストレーションでは腕立て伏せ、音声制御によるボール投げ、ボールを蹴る動作など素晴らしいパフォーマンスを披露したほか、長時間にわたる安定した動作を見せて、来場者からの注目を集めていた。
程CEOは、サッカーは接触プレーもあるコンタクトスポーツだとし、ロボットにサッカーをさせるには非常に高度な知能が要求されるだけでなく、ロボットがさまざまな場面で判断を下すのに必要な幅広い理解も必要になると述べた。
同社の人型ロボットはすでに受注を受けており、年内に小ロット生産と納品が行われるという。また、新たな資金調達にも取りかかっている。
創業者の程CEOは清華大学で学士号・修士号を取得し、大手インターネット企業で10年近くにわたり大規模な製品開発に従事した。チーフサイエンティストの趙国明氏は、清華大学の自動化学科の研究員で、ロボット制御実験室などの主任を務めており、これまで20年にわたって足の動きの再現や、知能ロボット及びシステムの研究に専念してきた。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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