旭化成の小堀秀毅社長、ノーベル化学賞受賞者を輩出した技術力でアジア地域でのプレゼンス発揮に自信

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旭化成の小堀秀毅社長は、日本経済新聞社主催の第21回日経フォーラム「世界経営者会議」の檀上で「グローバルビジネスを成功させるための要諦」をテーマに講演した。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰名誉フェローの話に触れながら、イノベーションの重要性や研究者の働く環境、グローバル人材育成について幅広く議論した。

また36Krの単独取材のなかでは、今後の中国やインド、東南アジアなどアジア市場戦略について語った。特に中国は魅力的な巨大市場としてだけでなく、国を挙げて急速にイノベーションを推進している現状をチャンスと捉え、深圳を中心としたスタートアップへの投資や業務提携などを視野に企業探索などを始めていく考えを示した。

以下、インタビューの内容をお伝えする。

ーー旭化成にとって吉野さんのノーベル化学賞受賞の意味

「一つには、素晴らしい実績を出した先輩がいることで研究者の大きな励みになること。二つに、企業として世界トップの人材と技術を輩出する企業だと世界中で認知され、企業価値の向上、さらには持続可能な社会へのさらなる貢献ができることに大きな意味がある」

ーーリチウムイオン電池に限らず、多くのイノベーションが継続的に生まれる背景

「売上高の4%を目安に継続して研究開発投資を行っていることや、研究者の働く環境を非常に大事にしていることが理由だ。また、人や世の中に対して誠実であり続け、新しいことや変化することにチャレンジし、世の中になかったものを作り出していく、こういった旭化成が長年大事にしているバリューが4万人の社員隅々まで浸透していることも大きい」

ーー中国市場に対する市場戦略

「これだけ巨大な国家でありながらGDP成長率6%を維持する中国は、当然非常に魅力的なマーケットだと考えている。また、一方では中国製造2025の掛け声のもとに国を挙げて急速にイノベーションを推進している現状は脅威にも感じている。この状況を向き合い方によってはチャンスでもあるとポジティブに捉え、特に旭化成が注力している5分野のうちモビリティやヘルスケア、環境エネルギーの分野において、中国スタートアップとのコラボレーションや中国人材の獲得、政府との関係強化などを実行していく。すでに旭化成の外国人従業員率は全体の37%に達し優秀な中国人材も獲得しており、今後は深圳等で協業可能性のある中国スタートアップの探索を始める予定だ」

ーー東南アジアやインドに対する市場戦略

「インドには2013年に現地法人を設立、今後の巨大な市場となることを見据え、プレマーケティングを行いながら、旭化成が力を発揮できる分野を見極めている。

東南アジアも成長性の高い地域として、今年8月、タイに旭化成アジアパシフィックを設立。言語や法律、商習慣など複雑性の高いASEAN地域においてグループ各社の連携促進や事業効率化を強化していく。さらに現地人材の活用や育成、登用も積極的に進めることが重要だと考えている」

(作者:Gongwen)

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