「ちょい乗り」に最適な電動ミニカー、中国企業が開発 車の屋根にソーラーパネル

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「Car-Ebike」と呼ばれる小型の電動四輪車(電動ミニカー)メーカー「大輿科技(Dayu Technology )」がこのほど、シードラウンドで啓迪之星(TusStar)から資金を調達した。資金は第二世代車両のサンプル製造とテストに用いられる。

大輿科技は2023年に浙江省台州市で設立され、主に都市部の短距離移動用の「ちょい乗り」の電動モビリティーを開発している。初代製品「MARK-1」にはフレキシブル型ソーラーパネルとAIアシスタントを搭載し、ゴム素材のエアレスタイヤを採用。また、アプリでリモート制御もでき、フル充電で120キロ走行できる。欧米市場ではシェアリングモビリティや一般家庭での使用を想定し、中国国内では観光地でのレンタル利用や、勤務先の最寄り駅から勤務先までの移動手段として活用されることを見込んでいる。

eバイク人気を追い風に市場拡大図る

近年、世界でeバイク市場が驚異的な拡大を見せている。調査会社Allied Market Researchの予測では、世界のeバイク市場の規模は年間10%のペースで成長し、2030年には1186億ドル(約18兆4000億円)に達すると見込まれている。そのeバイク市場では、荷物運搬用のeカーゴバイクや、大輿科技が手がけるCar-Ebikeなど、特定分野に特化したeバイクのカテゴリも登場している。

Car-Ebike分野では欧米メーカーが主力で、北米のeバイク大手ENVOが買収したVeemoや、ノルウェーのCityQなどが有名だ。商品価格は6000ユーロ(約100万円)から1万ユーロ(約170万円)超えまでと幅広い。

Car-Ebikeには屋根があるものの、側面はオープンになっている。二輪のeバイクに比べて人や荷物を載せるスペースが大きいという特長もある。大輿科技は、屋根にフレキシブル型ソーラーパネルを組み込み、晴れた日なら6~8時間でフル充電できるようにしたため、利用者が充電するのは月に1回ほどですむ。また、海外では修理コストが高くつくことを考えて、空気入れが不要なゴム素材のエアレスタイヤを採用、内部に多数設けられた空洞で衝撃吸収性を高め、タイヤの耐久性も向上させた。

都市部の短距離移動用の「ちょい乗り」の電動モビリティー

大輿科技の創業者兼CEOの馮建偉氏は、海外では人件費など全体的なコスト高のため、既存のCar-Ebikeは価格が高く、普及が進まないと指摘する。同社は中国のサプライチェーンやコストの優位性を生かし、Car-Ebikeの予約価格を4000ユーロ(約66万円)以下に抑えるという。

需要が大きいことから、欧米市場に照準し、事業を展開する中国のeバイクメーカーが多いなか、大輿科技は中国国内市場にも目を向け、TikTok本国版の「抖音(Douyin)」や中国版インスタグラム「小紅書(RED)」などを活用したオンライン販売を展開するほか、直営店や代理店を通じて販売していくという。また、国内の観光地やリゾートホテルなどの法人向けにレベニューシェア型の提携を提案しており、すでに観光地でレンタサイクル事業を手がける会社2社から計5000台の注文の意向が寄せられている。

*1ドル=約155円、1ユーロ=約163円で計算しています。

(翻訳・畠中裕子)

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