中国の映画興行収入、今年は約8000億円に 市場の強靭さ示す

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中国のオンラインチケット販売大手、猫眼娯楽のデータによると、2024年の中国映画興行収入は11月27日時点で400億元(約8000億円)になった。この数字は前年同期を下回るものの、アナリストは中国映画市場の強靭さと潜在的な発展余地に対し、依然として大きな自信を示した。

上半期(1~6月)の中国映画市場は堅調で、主な休日の興行収入が好調だった。中国で最も注目される春節(旧正月)連休(今年は2月10~17日)期間に公開された4作品の映画はいずれも今年の興行収入上位5作品にランクインした。うち安藤サクラ主演の日本映画「百円の恋」(2014)のリメーク作「熱辣滾燙(英題:YOLO)」、日本でも公開されたカーアクション「飛馳人生(ペガサス)」(2019)の続編「飛馳人生2(英題:Pegasus2)」はいずれも興行収入が約34億元となり、今年の映画市場をリードしている。

一方、6~8月の夏休み映画の興行収入は振るわず、前年同期比44%減少した。10月の国慶節連休期間(10月1~7日)はごく普通だった。

猫眼娯楽の頼力市場アナリストは新華社のインタピューに応じ、「全体的に言えば、映画市場は変動しながら前進している」とし、春節などの重要な期間は映画鑑賞に対する需要が依然として旺盛だが、絶えず変化する市場は映画業界により高い要求を突きつけているとの見方を示した。

コメディ映画の興行収入が好調だった。中国の映画興行データ分析アプリ「灯塔専業版」の陳晋アナリストによると、コメディ映画の今年の興行収入は200億元(約4000億円)に迫り、興行収入全体の半分を占めた。

中国映画家協会と阿里影業(アリババピクチャーズ)傘下のデータ調査会社、灯塔研究院が共同で発表した報告書によると、24年は観客の消費がより理性的になり、映画関連消費の伸びが鈍化し、映画業界は引き続き他の娯楽活動との競争に直面している。

今年の興行収入上位8位はすべて国産映画が占めた。米ハリウッド作品の「ゴジラ×コング 新たなる帝国」は約9億5700万元(約191億円)で9位、日本のアニメ監督の宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」は7億9100万元(約158億円)で10位となった。

海外映画の興行収入には回復の兆しが見られた。陳氏は灯塔専業版のデータを引用し、海外映画の24年の興行収入が11月27日時点で92億元(約1840億円)を超え、前年を上回り、興行収入全体に占める割合は約2割にまで回復したと説明した。

アナリストはハリウッド映画について、中国ではもはや以前ほどの集客力はないものの、他の優れた海外映画とともに、中国映画市場のコンテンツ供給の多様性を広げているとの見解を示した。(新華社北京)

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