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中国IT大手の百度(バイドゥ)は6日(米国時間)、2019年第3四半期(7~9月)決算(未監査)を発表した。売上高は281億元(約4200億円)と、前年同期比でほぼ横ばい、前期(4~6月)比で7%増となった。
この数字はアナリストの予想を上回った。百度の第3四半期決算についてアナリストは、検索サービス事業の成長鈍化や市況の悪化による影響を受けると分析し、予想売上高を約275億3000万元(約4100億円)に従来予想から5%引き下げていた。
第3四半期決算で、企業の実力を示す営業利益は前期に比べ911%の大幅増となる23億6000万(約350億円)に上った。しかし、前年同期の44億3000万元(約660億円)からは47%減少している。
売上高と営業利益からは業績の回復がわずかに感じられたものの、利益は再び落ち込んだ。黒字に浮上した前期から一転して、第3四半期は再び63億4000万元(約950憶円)の赤字に転落。純損失は、2005年以降初の四半期赤字となった今年第1四半期(1~3月)の3億2700万元(約50億円)を上回った。
第3四半期決算が大幅な赤字となったのは、保有していたシートリップ株の売却と関係がある。中国のオンライン旅行会社(OTA)最大手「シートリップ(携程旅行網、現社名Trip.com Group)」は9月26日、大株主の百度が米国預託株式(ADS)を3130万4000ADS発行すると発表した。1ADSは普通株0.125株に相当し、これよって百度は保有するシートリップ株のうち約3割を売却することとなった。
売却時点でシートリップ株の評価額が取得時を下回っていたため、百度は運用損失を計上した。百度によると、主に株式投資の減損処理額は89億元(約1300億円)に上り、シートリップ株の売却決定は第3四半期の株式投資で最も大きな動きとなった。
ただ、米国会計基準の適用により純損益が大幅な赤字になったともいえる。
「評価額が長期にわたり下がっていた保有株があったため減損処理を行ったが、主要事業とは無関係だ」百度は36Krの取材に対しこう答えた。
非GAAPベースで、第3四半期の純利益は前年同期比35%減の44億元(約660億円)となる。しかし、中核事業となる検索サービスと取引サービスを組み合わせた「バイドゥ・コア(Baidu Core)」は第3四半期も伸び悩んだ。
バイドゥ・コアの売上高は前年同期比3%減、前期比8%増の210億元(約3200億円)。純損失は42億3000万元(約630億円)で、非GAAP ベースでは純利益が前年同期比25%減の63億1000万元(約950億円)となった。
そのほかの指標で、9月のアプリのデイリーアクティブユーザー数(DAU)は前年同期比25%増の1億8900万人。同月、個人ユーザー向けメディアプラットフォーム「百家号(Baijiahao)」のコンテンツ製作者数は240万人に達し、スマートミニプログラム月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比157%増の2億9000万人となった。
百度は9月、全国初となる自動運転タクシーの試験運営を湖南省長沙市で開始した。最近では湖北省武漢市の自動運転テスト用ナンバープレートを15枚、河北省滄州市の有人走行テスト用ナンバープレート30枚を取得。累計150枚の自動運転テスト用ナンバープレートを取得し、中国で発行済みのテスト用ナンバープレートの半数以上を保有している。
また、9月にバイドゥ地図スマート音声アシスタントのユーザー数は2億8000万人を超え、前年同期の2倍以上に増えた。9月時点で傘下の動画配信サービス「愛奇芸(iQIYI)」のサブスクリプション会員数は前年同期比31%増の1億580万人となっている。
※編集部注:シートリップは先月29日付で社名を「Trip.com Group」に変更したが、従来の社名になじみの深い読者を考慮し、本記事内では「シートリップ」と記述している。
(翻訳・神戸三四郎)
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