中国アイドル元祖「SNH48」に陰り 運営元が資産凍結、“契約奴隷”の批判も

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中国の女性アイドルグループ「SNH48」を運営する「上海絲芭文化伝媒集団(Star48集団)」の株式1億2000万元(約25億円)余りが凍結されたことが明らかになり、物議を醸している。

Star48集団は2010年に設立され、中国でいち早く地元発のアイドル育成に取り組んだ企業だ。事業はタレントマネジメント、グループ運営、映画・テレビ制作、ファンコミュニティ管理など多岐にわたる。

SNH48は、中国・上海市を中心に活動する女性アイドルグループで、 2012年にAKB48の姉妹グループとして秋元康のプロデュースにより誕生したが、2016年に契約上のトラブルにより事実上の関係解消に至ったという。また、「劇場常設公演とファン投票」の仕組みに、韓国アイドルの練習生制度を取り入れることで、中国独自のアイドル運営モデルを構築した。

SNH48は2013年に初公演を行い、瞬く間に多くの若年層ファンを集め、鞠婧禕(ジュー・ジンイー)氏をはじめとする多くの人気タレントを輩出した。最盛期には、SNH48の所属メンバーは100人を超え、北京のBEJ48や広州のGNZ48なども派生し、全国規模のアイドルネットワークを形成している。

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華やかな活動を繰り広げてきたかに見えるStar48集団だが、その裏では法的紛争が続いていた。過去10年間で、20人以上のメンバーとの契約が法的トラブルとなっている。主な争点は、契約期間が過度に長いこと(一部報道では10〜20年)、自動更新条項の存在、過重な労働負荷、一部の人気メンバーに会社のリソースが偏っていることなどだ。大多数のメンバーは長年劇場公演だけにとどまり、十分な露出機会を得られていないという。報酬や出演機会を巡る不満も出ている。

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こうした問題が表面化し、絲芭伝媒は一時「アイドルを搾取するブラック企業」だとの批判を浴びた。2024年6月には、SNH48の中心メンバーだったジュー・ジンイー氏が契約を更新しないと発表。双方の契約をめぐる紛争が運営体制への疑念を一層深めている。

ジュー・ジンイー氏はSNS「微博(Weibo)」で契約の自動更新条項に対する疑義を表明

*1元=約21円で計算しています。アイキャッチ写真:SNH48公式微博より。

(36Kr Japan編集部)

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