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フードデリバリーや口コミサイトなど生活関連サービスを手がける「美団点評(MeituanDianping)」が21日、2019年第3四半期決算(7~9月)を発表した。
総売上高は前年同期比44.1%増の275億元(約4245億円)で、市場予想の260億元(約4000億円)を上回った。しかし、伸び幅は第1四半期の70.1%、第2四半期の50.6%から鈍っている。
今年に入って同社の財務状況は好転を続けてきた。第1四半期はEBITDAベースで初めて黒字化。第2四半期は調整後当期純利益が15億元(約230億円)となり、名実ともに黒字化を果たした。第3四半期の調整後当期純利益は19億4000万元(約300億円)で、2四半期連続で黒字となっている。なお、前年同期は24億7000万元(約380億円)の赤字だった。
売上総利益率については、主力のフードデリバリー事業が19.5%で、第1四半期の14.4%を上回ったものの、第2四半期の22.3%を下回った。美団は「今季は悪天候の影響を受けたため」と説明している。ただし、調整後の営業利益は黒字となっている。
フードデリバリー事業のGMV(流通取引総額)は1119億元(約1兆7200億円)。モルガン・スタンレーの予想では、今四半期の調整後売上高営業利益率が損益分岐点に達するとしており、事業規模拡大や価格競争が沈静化してきたことで、第4四半期に季節的なコスト構造の影響を受け赤字になったとしても、年間単位でみれば損益分岐点に達するとみている。
インストアおよびホテル・旅行事業は一貫して高い売上総利益率を維持し88.6%となった。ホテル・旅行事業は今四半期、地方市場の開拓を進めると同時に高価格帯ホテルとの提携にも動いた。結果、今四半期の販売客室数(RN)は前年同期比44.4%増の1億室に達した。
新規およびその他事業の売上総利益率は18.7%で、前年同期の-37.4%からプラスに転じた。同社は同事業について、効率面では改善がみられたが、長期的な視点ではさらに大規模な投入が必要とみている。王興CEOも「引き続き商機を見定め、ポテンシャルに富む新規事業へ大きく投資していきたい」と述べた。
第3四半期は生鮮小売事業にも注力した。生鮮食品の配送サービス「美団買菜(Meituan Grocery)」は複数の都市で自社倉庫の分布を強化し、同じく生鮮食品の即配を行う「美団閃購(Meituan Instashopping)」は湖北省武漢市内の青果市場10カ所で試験的にプロジェクトを起動させた。企業向けサービスとしては、飲食店向けマネジメント支援システムや食材配送サービスなどによって、既存産業のデジタル化に寄与している。
美団は動画配信サービス「騰訊視頻(テンセントビデオ)」と「ダブル会員」制度を運営している。加入者は双方の会員として会員特典など受けられることでリピート率や定着率を高める結果につながり、取引件数も数倍に増加した。また、先月新たに音声コンテンツアプリ「Himalaya(喜馬拉雅)」とも同会員制度を開始した。
UBSグループによる報道でも、美団はこうした会員制度によってデリバリー発注率を高めたとしている。美団の決算報告によれば、今年9月末までの1年間に取引を行ったユーザー数は4億3600万人に上っており、彼らによる発注件数は前年比38.1%増の24億7000万件に達した。
決算発表当日、美団の時価総額は5046億4600万香港ドル(約7兆円)となった。
(翻訳・愛玉)
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