拼多多が2019年Q3決算を発表 売上高は市場予測を下回るもアクティブユーザーは最大の増加率に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

拼多多が2019年Q3決算を発表 売上高は市場予測を下回るもアクティブユーザーは最大の増加率に

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

ソーシャルEC大手の「拼多多(Pinduoduo)」は11月20日(米国時間)の取引開始前、第3四半期(7〜9月)の決算を発表した。

売上高は前年同期比123%増の75億1400万元(約1160億円)で、市場予測の76億5400万元(約1180億円)をやや下回った。今期の売上高の伸び率は、第1四半期の228%増、第2四半期の169%増から若干低下した。

Non-GAAPベースでの普通株株主に帰属する当期純損失は市場予測の12億2400万元(約190億円)を上回る16億6040万元(約260億円)となった。経常損失は21億2350万元(約330億円)で、第1四半期の16億2190万元(約250億円)と第2四半期の14億9040万元(約230億円)を上回った。

拼多多は、6月18日のEC業界のセール「618」で今年から開始した「100億元(約1540億円)値引き」キャンペーンを継続している。キャンペーンの長期にわたる展開が、同社のアクティブユーザーの大幅増を後押ししている。

拼多多の昨年9月30日から今年同日までの年間アクティブユーザー数(YAU)は、前年同期より1億5080万人純増し、5億3630万人となった。前四半期からも5310万人の純増となり、四半期ごとの純増で上場以来最大の伸び率を示した。また、同キャンペーンを入り口とした1日当たりのアクティブユーザー数(DAU)は、これまでに1億人の大台を突破し、国内外のブランド2800社以上がキャンペーンに参加したほか、人気の対象商品は2万3000品目以上となっている。

拼多多の単独アプリの昨年9月30日から今年同日までの平均月間アクティブユーザー数(MAU)は、前年同期比で1億9790万人増、また前期比6360万人増の4億2960万人となった。米モバイルアプリ調査会社「Sensor Tower」のデータによると、米アップルのアプリストア「App Store」におけるショッピングアプリダウンロード数の世界ランキングで拼多多は第1位となり、2位から5位は「手機淘宝(Taobao Mobile)」、米越境ECアプリ「Wish」、「萌推(MENGTUI)」、米アマゾンの順となっている。

中国国家統計局のデータによると、昨年9月30日から今年同日までの全国のネット小売額は同期比で名目16.8%増、また同期間中の拼多多の流通総額(GMV)は前年同期比144%増の8402億元(約12兆9700億円)となった。拼多多の創業者である黄崢CEOは10月10日に行われた同社創業4周年祝賀会で、第3四半期に決済された同社のGMVがすでにEC大手の京東(JD.com)を超えたと発表した。同社が「3年以内に京東のGMVを超える」計画を掲げてからわずか1年での達成となった。

バンクオブアメリカ・メリルリンチは、拼多多のアクティブユーザーによる平均年間消費額は2019年~21年に少なくとも200%増となると分析・予測している。また、拼多多の決算書によると、拼多多のアクティブユーザーによる年間平均消費額は、第1四半期の1257.3元(約1万9400円)、第2四半期の1467.5元(約2万2600円)から今四半期の1566.7元(約2万4200円)へと着実に上昇しており、バンクオブアメリカ・メリルリンチの予測が徐々に実証されつつある。

「100億元値引き」キャンペーンの効果を受け、拼多多は引き続き商品値引きへの注力を高めているため、マーケティング費用は大幅に増加している。同社の第3四半期のセールス・マーケティング費用は、前年同期より8億元(約120億円)多い69億元(約1060億円)となった。黄CEOは社内発表会で、100億元の値引きにより損失が出たとしても、消費者支援になると同時に将来的なより良い成長にもつながると述べている。

拼多多のプラットフォーム運営による第3四半期の純キャッシュフローは、前年同期の16億3140万元(約250億円)を上回る26億1820万元(約400億円)だった。9月30日時点で、同社の現金、現金同等物および制限付預金は合計344億元(約5310億円)、制限付預金を除いても157億元(約2400億円)を保有している。この他、同社は短期投資に246億元(約3800億円)を充てており、利用可能な現金は合計403億元(約6200億円)となっている。

注目すべきは、拼多多が決算期中に8億7500万ドル(約950億円)の転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行すると発表した点だ。初期引受人は13日以内に1億2500万ドル(約140億円)の追加引受が可能で、今回の発行規模は約10億ドル(約1100億円)に上るとみられる。同社関係者によると、今回のCB発行により調達した資金は、主にプラットフォームの研究開発と新たな農業品関連インフラの構築に充てられるという。

市場予測をやや下回る決算発表の直後、拼多多の株価は取引開始前に34.4ドル(約3740円)をつけ、15.52%の急落率を示した。
(翻訳・田村広子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録