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飲食業専門のインキュベーター「吃托邦(Foodtopia)」から生まれた飲食業サプライチェーンマネジメント会社「蔚来供応鏈」がエンジェルラウンドで1000万元(約1億5500万円)を調達した。出資者は既存株主の吃托邦及び個人投資家で、今回調達した資金は工場建設や製品開発、開発チーム設立等に充てられる。
中国の飲食店の廃業率は70%にのぼり、飲食店の企業寿命は平均508日と言われる。人件費の高騰と市場競争の激化により、飲食店経営を取り巻く環境はますます厳しくなると考えられる。
吃托邦の共同創業者で蔚来供応鏈のCEOも兼ねる王旭東氏によれば、現在、飲食業界のサプライチェーンには次のような問題点があるという。
■ サプライチェーンが長く、食材の調達からメニューとして提供するまでに、総代理店、販売代理店、卸売業者、工場といった10社以上の中間業者を介するため、コストが高くなる。
■ メニューの開発に関して、多くの飲食店で調理師任せになっている。しかし、市場のニーズとコストを正確に把握していない調理師より、サプライチェーンと購買調達を熟知している担当者のほうがメニュー開発に適している。
■ 現在、調理師の数は減少傾向にあり、業界全体で人手不足が深刻化している。また、中国政府が安全上の理由から火を使う加熱機器の管理を強めており、今後火を使わない飲食店がトレンドとなる可能性がある。
こうした問題を受け、飲食業界も徐々に変化している。調理師が材料を購入し、店で調理するという従来の生産方法が一部の料理は味付けパックのような標準化された材料を利用するというスタイルに代わりつつある。王氏によると、蔚来供応鏈が提供する新モデルは、工場で料理を完成させて輸送するというもので、店側は再加熱するだけで客に提供できるという。
この新モデルを採用すれば、食材の仕入れ、調理師、ガスコンロが全て不要となるため、手間の約80%が省ける。さらにデータ分析を活用することで、半年後までの人気メニューを予測し、各店のコンセプトに即したおすすめメニューを提供できる。店側はスマホの専用アプリを使い、注文システムにより簡単にメニューを選ぶことができる。
食品のパッケージは、日本やドイツの先進技術を基に改良を加えており、すでに日本の食品研究所とも独占提携関係を結んでいる。
現在、同社は山東省に肉畜の飼育基地と解体センター、浙江省寧波市に調味料センター、金華市に熟成製品センターを設置している。また、魚介類・水産加工品、冷凍食品、熟成製品、パウチ食品等を扱う50あまりの工場と提携しており、今後はデータ管理や保管、輸送等のリソースを共有していくという。
輸送に関しては、コストが低い幹線輸送と効率の良い都市内輸送を組み合わせることで、低コスト・高効率の食材輸送ネットワークを構築している。
蔚来供応鏈は今年9月の設立以来、すでに30あまりの飲食ブランドと提携関係を結んできた。その中には、スタートアップや全国に200以上の店舗を展開する老舗チェーン店が含まれている。
蔚来供応鏈の本部は浙江省杭州市にあり、現在従業員数は約50名。CEOの王旭東氏は、食品業に10年以上従事した経験豊富な人物だ。会社の中心メンバーは農家と飲食店を直接つなぐ「美菜(Meicai)」やO2Oプラットフォーム大手「美団(Meituan)」等、大手インターネットサービス企業の幹部経験者で構成され、メニュー開発チームは有名シェフやホテルの料理長経験者等が占めている。
(翻訳・桃紅柳緑)
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