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対策が難しいマイクロカメラによる盗撮。ついにその解決方法が登場した。
近ごろ、中国のIT大手「奇虎360(Qihoo 360 Technology)」と百度(バイドゥ)が相次いで、ワンタッチでマイクロカメラを識別できるアプリを発表。これはマイクロカメラを使った盗撮などによるプライバシーへの脅威を解決するための新たな技術的選択肢を提供するものだ。
10月末、バイドゥがバイドゥプライバシー保護専用アプリをリリース。マイクロカメラによる盗撮に対し、このアプリがLAN内の設備を探知することによって、ホテルなどに隠されたカメラを見つけることができるという。
10月末、奇虎360が同社のウイルス対策ソフト「360安全衛士」公式微博(Weibo、中国版ツイッター)で「盗撮発見」機能をリリースしたことを発表。同社は、ウイルス対策ソフトで違法行為に対する感知能力を進歩させてきており、それに基づいた「盗撮発見」機能はネットワークカメラの接続時や通信方式の特徴を分析することで、その場のWi-Fiが疑わしい撮影デバイスに接続されていないか効率的に識別することができるという。
中国国内の2大モバイルソフトウェアである奇虎360とバイドゥが相次いで対策を打ち出し、「障子に目あり」という状態を技術的な側面から防ぐという重要な一歩を踏み出した。
人々は、マイクロカメラに長らく悩まされてきた。バイドゥで「マイクロカメラ」を検索すると635万件もの関連ワードが出てくる。ここ数年、マイクロカメラの隠される位置はより巧妙になってきており、テレビやエアコン、コンセントプラグ、シャンプーボトルまで、防ぎようがないと言える状態だった。人の出入りが激しい場所はどこでも盗撮が起こる可能性がある。
中国メディア「澎湃新聞(The Paper)」の報道によると、今年6月、省外から河南省鄭州に旅行に来た男性とその恋人がホテルにチェックインした際に、テレビ下部のコンセント内からマイクロカメラが見つかったという。発覚後も、ホテル側は気にする様子もなく、鄭州のホテルではこういったことはよくあると発言したという。
これ以前にもポータルサイト「鳳凰網(ifeng.com)」が行った調査では、盗撮はすでに盗撮機器の販売から盗撮内容を有料で閲覧するところまでが「黒い」サプライチェーンとして形成されており、高額な利益のもとで違法盗撮がますますはびこっているという。加えて、中国国内の盗撮に関する法的な基準が曖昧であるため、関連部門の監督管理の難度も高く、盗撮ビジネスの発展を阻止するのが困難となっている。
ネット上で広まっている盗撮検出方法はこうだ。部屋の電気を消し、完全に真っ暗になった状態で携帯電話のカメラを起動させ周囲を確認する。赤い点が見えたらそれが盗撮カメラだというのだ。しかしこの方法には限界がある。赤外線カメラ以外には使えないことが明らかになったのだ。
ウイルス対策ソフトなどを開発する「百度安全」の技術専門家の調査では、現在主流となっているマイクロカメラには技術上の共通性があることを発見。盗撮者が使用するのは大半がマイクロモジュールカメラで、これらのカメラは通常、遠隔操作する必要がある。それゆえ、盗撮者は盗撮する際にホテルのWi-Fiに接続し、ソフトウェアやアプリを利用して遠隔操作を行うことが多いという。
(翻訳・山口幸子)
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