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「00後(2000年代生まれ)」といえばデジタルネイティブ。だが、まだボリュームゾーン市場とはいえない世代だ。それでもこの世代をターゲット層に、各業界が潜在ユーザーの囲い込みを狙って「青田買い」を繰り広げている。
スマートウォッチは、子ども向けのスマートハードウェア市場が存在することを世に知らしめた。この市場で消費されるハードウェアは「高頻度」「高定着率」「ウェアラブル」という主な特徴を有していることもわかった。スマートウォッチは今や低年齢ユーザー向けのハードウェア市場において顧客獲得の
入り口となっているが、すでに大手の独壇場となっており、後発組には市場参入が難しい状態だ。
スマートデバイスの活用シーンが近年増え続ける中、子どもに特化した市場では大手企業が次々と商品を送り出している。
「巨鯨網絡科技(Bowhead Technology)」はスマートデバイスおよびインターネットを経由したインタラクティブサービスを提供する企業で、子どもの健康や消費のアップグレードに特化している。
同社初の製品は、インタラクティブ機能を備えたスマートボトル「Gululu」だ。日常生活において頻繁に行われる「水を飲む」行為に着目し、ゲームで遊びながら子どもに適切な水分補給を習慣づける製品だ。製品には教育やソーシャルの機能も持たせた。スマートボトルを起点に、ゲームやコンテンツ、ソーシャル機能を通じて子どもの健康を管理するスマートプラットフォームを構築していく狙いだ。
子どもに適度な水分補給を習慣づけるのは難しいが、こうした悩みを解決してくれるプロダクトがこのGululuだ。口うるさく子どもに水を飲むよう言う必要はもうない。Gululuを持たせればゲーム感覚で水分補給が習慣づくようになる。水を飲めばコインを獲得でき、新しいゲームもプレイできるようになるからだ。さらにGululuにはオリジナルデザインのバーチャルペットが搭載されており、水を飲むたびに成長するという、子どもが喜ぶ仕掛けまである。
また、Gululuはインターネットに接続した状態でスマートフォンアプリと連動する。保護者のスマホに随時データが転送され、子どもが水を飲んだ回数や量が通知される。また、子どもの興味を惹くインタラクティブ機能を通じて、保護者は適時に水分補給をするよう促すことができる。
こうした基本性能のほか、以下のような機能も有する。
1)教育:ゲームを通じて科学の知識が得られるほか、サブスクリプションサービスを利用すると、読み聞かせや英語レッスンなどのコンテンツが提供される。
2)ソーシャル:ボトルを振ったりぶつけたりすることで「友だち」を追加でき、同じ製品を使う友だちと関係を築くことでユーザーの使用頻度を高め、利用シーンを拡張する。
現段階ではGululuの商品ラインナップは4つ。中国国内では1~2級都市の富裕世帯にユーザーが多い。アリババのAIラボも同社に注目しており、スマートスピーカー「天猫精霊(Tmall Genie)」とのコラボレーションでZ世代の呼び込みを望んだという。実際、Gululuの最新製品「Gululu Q」は天猫精霊の音声アシスタントを搭載し、AIを活用したアニメーションを通じて、子どもはボトルと会話を交わしたり、感覚フィードバックを得たりできる。同製品は10月下旬に発売され、価格は399元(約6200円)だ。
巨鯨網絡科技の創業者兼CEOの江志強(Alvin Chiang)氏は、中国製SNSの元祖「人人網(renren.com)」の運営企業でCMOを務めたほか、アリババグループのVP、ネットイース(網易)のVPを務め、インターネット業界では18年のキャリアを持つ人物。共同創業者でCTOの蒋鎰珍(Ethan Jiang)氏は、米ヒューレッド・パッカードでレーザープリンターの開発に携わるなどハードウェア、ソフトウェア、web開発畑で20年超のキャリアを有する。
(翻訳・愛玉)
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