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中国のスマートフォン大手OPPO(オッポ)系列の独立ブランド「realme」が、中東とアフリカに進出すると発表した。realme中東アフリカ地区総裁の王伝軍氏は、同社は南アフリカ共和国、ケニア、ナイジェリアの各拠点から、それぞれアフリカ南部、東部、 西部にサービス範囲を拡大するとともに、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、エジプト、モロッコなど、中東やアフリカ北部の市場にも進出するとの展望を示した。
realmeは2018年5月、若者をターゲットとし、総合性能とコストパフォーマンスの良さを武器にインドで初めてローンチされた。realmeはオンライン、オフライン双方のチャネルを利用し、インド、東南アジア、欧州、そして中国国内へと瞬く間に浸透していった。香港の市場調査会社「Counterpoint」のデータによると、realmeの2019年第3四半期のスマートフォン出荷台数は1000万台以上で、世界第7位だった。
アフリカ市場を狙う中国スマホメーカーが数多くある中、現在最も成功しているのは「伝音(Transsion)」だ。市場調査会社IDCの統計によると、2019年第2四半期、伝音のアフリカ市場でのシェアは第1位となる37.4%だった。小米(シャオミ)は今年1月にアフリカへ進出し、アフリカ本部を設置した。ファーウェイも一貫してアフリカ市場を狙っており、今年第2四半期の出荷台数は伝音と韓国サムスン電子に次いで第3位となった。今年7月にはvivo(ビボ)も中東・アフリカ市場への進出を発表している。
以下にrealmeの中東・アフリカ地区戦略について、王氏に行ったインタビューの一部を紹介する。
――なぜ今中東とアフリカへの進出を決断されたのでしょうか。
マーケット環境についてIDCのデータから見ると、アフリカの携帯電話市場のキャパシティーはおよそ2憶1500万台で、そのうち約9000万台がスマートフォンだ。今年第2四半期のアフリカにおけるスマートフォン出荷台数をメーカー別に見ると、伝音が37.4%、サムスンが27.4%、ファーウェイが8.7%を占めている。市場にはまだ進出の余地があるにも関わらず、他のブランドはまだ押し寄せておらず、我々は今が好機だと考えた。
――アフリカや中東のマーケットにはどんな特徴がありますか。
総じて言えば、アフリカ市場は分散している。中東市場は二極化している。
アフリカ各国の経済発展レベルを見ると、南アフリカ共和国のように国民1人当たりのGDPが3500ドル(約38万円)を超える国はわずかだ。モロッコは3290ドル(約36万円)、エジプトは2800ドル(約30万円)だが、これ以外の国の経済発展レベルはさらに低い。また、アフリカ市場の中心年齢層は低い。中国や東南アジアならば就学中の年齢でも、アフリカでは既に1〜3年程度の就労経験があるため、スマホの購入が可能だ。
中東の場合、地元の人は経済基盤がしっかりしているので、3000元(約4万6000円)程度のスマホなら購入できる。一方、東南アジアやインド、パキスタンなどから来た大部分の人々の支出能力は1000元(約1万5000円)以下だろう。
――これまで実践されてきた戦略のうち、どんなところを活用できると考えておられますか。
私は三つあると思う。一つ目は、インターネットによるマーケティングだ。realmeはまず広報から入り、インフルエンサーとなるユーザーによる情報交換で、徐々にフォロワー・コミュニティを形成していき、ターゲットとするコミュニティの中での口コミ評価を確立する。
二つ目は、チャネルの開拓だ。地元でメジャーなECプラットフォーム1~2社を味方につけ、地元市場を開拓する。
三つ目は、ローカライゼーションだ。マーケティングやチャネルの確立はもちろん、地元のマーケティングチームや販売チームをいかに速く構築できるかが一番のポイントになる。
――どのようにチャネルを開拓されていくのか、中東とアフリカそれぞれでお答えいただけますか。
ECについて言えば、中東は基本的には発展しているが、アフリカは全くの初期段階だ。どちらもマーケティングに対するECの貢献度は限られている。マーケティングの角度から考えると、地元に影響力のある代理商と提携し、彼らのチャネルを通じて我々の商品を販売していきたい。
さらに言うと、南アフリカ共和国は通信事業者がマーケットを主導しているが、他の地区では販売代理店が主要な販売チャネルになっており、サハラ以北では特にその傾向が強い。我々はその土地に合わせて最強の販売チャネルを選び、市場に進出する。
(翻訳・永野倫子)
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