世界に広がる「代替肉」、業界現状と代表ブランド

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完全菜食者(ビーガン)向けに完全植物由来の代替肉を製造する米大手「Beyond Meat」が今年5月、ナスダックに上場した。同社は今年第1四半期、純売上高が前年同期比215%増の4020万ドル(約44億円)に達し、米国以外にもカナダ、英国、イタリア、イスラエルなどに商品を販売している。

英バークレイズ銀行が今年5月に発表したレポートでは、代替肉が肉類市場に占めるシェアは今後10年で10%にまで伸び、その規模は1400億ドル(約15兆3000億円)に上ると予想している。

36Krはこれまでの報道や業界内情報を基に、中国と海外における代替肉の代表企業や動向を以下にまとめた。

代替食材、海外の四流派

まずは「代替タンパク質」について。主に以下の4分類がある。

植物肉:植物性タンパク質にアミノ酸、脂肪などを合成して製造される。遺伝子操作を加えた酵母から生成する「ヘム」を用いて肉の風味や色味を再現することもある。主な成分はエンドウ豆、小麦、大豆などだ。

培養肉:動物の可食部の細胞を培養して製造される。しかし問題はコストだ。培養肉の原料となる肉細胞とこれを生成する機器を販売するイスラエル企業「Future Meat」によると、培養肉の生産コストは昨年時点で1000グラム当たり3000ドル(約33万円)で、一般的な肉類の7.2ドル(約800円)を大幅に上回る。また、倫理面でのリスクも存在する。

植物性ミルク:最も早く市場に受け入れられた商品形態。仏食品大手ダノンは2017年、米オーガニック食品製造「WhiteWave Foods」を125億ドル(約1兆4000億円)で買収した。同社は米国で最も売れている植物性ミルクのブランド「Silk」を傘下に抱える。

昆虫由来タンパク:バッタやコオロギなどから発生する温室効果ガスは肉牛の100分の1であることから、昆虫が原料集約型のタンパク源として注目されている。ただし消費者の多くが心理的抵抗を感じるであろうことや、原材料となる昆虫の大規模養殖が技術的に未熟であることから、量産化は難しいとみられている。

中国国内の現状と代表ブランド

市場環境:消費習慣や既存市場からみると、中国国内向け製品は主にベジタリアン向けだ。レストラン「功徳林(GODLY)」や食品メーカー「齋善食品(Whole Perfect Food)」など精進料理の自国ブランドが存在する。

中国の市場調査サービス「CBNData」と中国のレビューサイト「口碑(Koubei)」が共同で調査したところ、昨年の中国では「軽食(低脂肪・低カロリー)」「健康」「素食(ベジタリアン)」などの文言を店名に掲げた飲食店が前年同期と比較して20%近く増えている。代替タンパク質関連の商品は、大規模な大衆市場をターゲットにして間違いないだろう。「ヘルシー」「エコ」といった概念は若年消費者の心を掴むに違いない。

商品化:培養肉に関してはコストや管理面の課題が多く、現在も試験段階にあることからここでは論じない。

植物性ミルクは早くから大手企業が手がけている分野で、伊利実業集団(Yili Industrial Group)の「植選(PLANT SELECTED)」、「「維他奶(Vitasoy)」、達利食品(DALI FOODS)の「豆本豆(SOYMILK)」などが代表的ブランドだ。食品・飲料大手の旺旺集団(WANT WANT GROUP)は2017年に、「今後2~3年以内に中国の植物性ミルク市場は550億元(約8600億円)規模に達する」と予想している。

昆虫由来タンパクについては、ペットフードの主原料として試験的に導入されている。代表ブランドは「楽施狗糧(Leshi)」で、昨年末に最大手オンラインモール「天猫(Tmall)」に旗艦店を出店し、売れ行きも好調だ。

中国国内における主要ブランド
1)Green Common:香港発のブランドで、植物由来の豚肉製品「オムニポーク」を主力とする。今年11月、中国進出第一弾としてECサイト「天猫国際(Tmall Global)」に出店した。

2)Just:「植物性タンパク質革命」を掲げる米国のスタートアップで、中国内ではアリババ傘下の次世代型スーパー「盒馬生鮮(Hema Fresh)」、同傘下のECサイト「天猫」と提携する。ただし、価格面で一般消費者目線からかけ離れているのが問題点だ。

3)Starfield:植物肉を手がける中国の新興ブランド。ベジタリアン向け食品メーカー「鴻昶生物科技(Hong Chang Biotechnology)」からの出資を受け、同社と共同で植物肉の新プロジェクトを立ち上げることで合意しており、新製品開発に着手している。

中国国内には真の意味での「人工肉」メーカーは存在せず、基本的には豆類を原料とした代替タンパク質の生産にとどまっている。サプライチェーンの川上は比較的成熟しているが、世界大手の「Beyond Meat」や「Impossible Foods」に比肩する企業となるには、まずは代替肉に関する確かな実績を出すことから始めるべきだろう。
(翻訳・愛玉)

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