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中国EC大手「京東(JD.com)」は2日、米国市場の取引開始前に2019年第4四半期および通年決算を発表した。
京東の第4四半期の純売上高は前年同期比26.6%増の1707億元(約2兆6500億円)で、市場予測の1667億2000万元(約2兆5800億円)を上回った。同社は前回の決算で、第4四半期の売上高を21~25%の増加となる1630~1680億元(約2兆5000億~2兆6000億円)と予測していたが、これも上回った。
京東の売上高の伸び率は5四半期連続で30%を割り込んでおり、今四半期も30%に満たないが、それ以前と比べると大幅な改善が見られた。通年の純収入は前年比24.9%増の5769億元(約8兆9000億円)で、前年の伸び率27.5%を下回った。そのうちサービスの純収入が662億元(約1兆円)で、前年比44.1%の大幅増となっている。収益構造がいっそうバランスのとれたものになり、テクノロジーとサービスの両面が企業の成長をけん引していることがわかる。
決算の際には黄宣徳CFO(最高財務責任者)の引退も発表された。黄氏は9月16日をもって退職し、後任は京東グループ高級副総裁で京東リテール部門CFOの許冉氏が務める。
普通株主に帰属する通年の純利益は122億元(約1890億円)、non-GAAPベースでは211%増加の107億元(約1660億円)となった。2019年のGMV(流通取引総額)は前年を上回る2兆854億元(約32兆3600億円)となり、初めて2兆元の大台を突破した。
今期は純収入、純利益、アクティブユーザー数など主要指標が軒並み市場の予測を上回った。これを受けて京東株は取引開始前に7.4%値上がりし、時価総額は562億3100万ドル(約6兆円)となった。
2019年12月のモバイル端末の月間アクティブユーザー数は、前年同期比で41%も増加した。2019年のアクティブユーザー数は3億6200万人で、第3四半期から2760万人増加し、8.3%の伸び率を記録している。
一時期減少していた京東のユーザー数だが、2019年第1四半期から増加に転じ、順調に伸び幅を広げている。新規ユーザーの7割以上は三~六級都市の地方都市在住者だ。
京東のユーザー数の増加においては、地方都市への進出が奏功したとみられる。第3四半期末に地方都市開拓の一環としてソーシャルEC「京喜(Jingxi)」をリリースした結果、多くの新規ユーザー獲得につながった。11月11日のショッピングイベント「双11(ダブルイレブン)」での取引額は、前年比27.9%増となる2044億元(約3兆1700億円)をたたき出した。調査会社QuestMobileのデータによれば、そのうち4割以上のユーザーが京喜経由の新規ユーザーだという。
京東はまた、2020年第1四半期の売上高が前年同期比で10%以上増加する見通しを明らかにした。
(翻訳・畠中裕子)
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