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新型コロナの拡大により、遠隔会議とIM(インスタントメッセージ)サービスの需要が急増している。
このような機能を持つソフトウェアのうち、ファーウェイが開発したコラボレーションツール「WeLink」は他と異なる特徴を持つ。アリババグループの「釘釘(Ding Talk)」、テンセントの「騰訊会議(Tencent Meeting)」などは主に中小企業向けだが、WeLinkは初めから大手企業や政府機関をターゲット層としている。
<関連記事:ファーウェイ、コラボツール「WeLink」をリリース 社内コミュニケーションを一本化>
ファーウェイの任正非CEOは、WeLinkを中国最大の企業コラボレーションツールにするという目標を掲げている。こうした背景のもと、2月20日、任氏はWeLinkの運営チームとの座談会を開催し、その席上でWeLinkに関する戦略的構想を披露した。以下がその概要である。
WeLinkにとってのチャンスがやってきた。今はそのチャンスを捉え、勢力を拡大していくべきである。そのためには、人材確保を急がなければならない。昇進候補者やBSS(ビジネス・サポート・ストア)の従業員から人材を抜擢し、抜擢された人たちのバックアップスタッフの育成も同時に行う。意欲のある従業員の自己推薦を奨励し、面接を経て選定を進めていく。
WeLinkの基本的な考え方は「BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)」と異なるが、同じ市場にいる以上、いずれ正面からぶつかることになる。テンセントとアリババは参入が早く、ユーザーが多いのが強みだが、ファーウェイのWeLinkは技術面で強みを持つ。特に安全性がWeLinkの最大のセールスポイントだ。
安全性において企業が求める基準は、個人が求めるものよりもずっと厳しい。安全性こそがファーウェイの強みであり、BATの弱点である。大手企業や公的機関が対象なら、より高い安全性を求めるため、ファーウェイの強みはより顕著になる。また、ファーウェイがこれまで手掛けてきたICT業務には大手企業や政府機関系のクライアントが多く、そのつながりはWeLinkのセールスにも貢献するものだろう。
では、安全性はどのように実現されるのか。ファーウェイが考えているのは「1回の利用ごとに暗号化する」という手法だ。暗号化業務を手掛ける企業は何千とあり、ファーウェイ独自の基準でこれらの企業のサービスを審査・認証し、WeLinkで使えるようにする。そうすれば、WeLinkを使うクライアントは使用するたびに異なる暗号化技術を選択できるようになり、情報を盗み取られるリスクが大きく下がる。たとえ一部をハッカーに解析されたとしても、そこだけ新しいものに変えればよいのである。
また、ファーウェイはすでに5G、クラウド、AI、光学技術において一日の長を持ち、WeLinkはこの点を利用し、5G、クラウド、AI、光学技術がつながるというトレンドのなかで、より実力のあるプラットフォームに成長していかなければならない。
WeLinkはボトムのアーキテクチャ・プラットフォームを高いレベルに仕上げ、アプリケーションを外部のパートナーに開発してもらう考え方だ。私達は農業でいえば土作りをしているようなもので、その上の作物にあたるサービスは外部にやってもらう。いいものができればこちらから提携を模索し、ファーウェイのエコシステムに組み込むことを目指す戦略だ。
(翻訳:小六)
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