安くて高性能の新型iPhone SE 狙うターゲット層は?

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4月17日、第2世代のiPhone SEが発売された。価格は3299〜4599元(約5〜7万円)で、2016年のiPhone SE以来の低価格となった。外形はiPhone 8とほぼ同じで、CPUはアップグレードされたが、4.7インチの小さなディスプレイには満足できないという声が多数上がっている。

では、新しいiPhone SEの顧客はどのような層だろうか。4月20日、市場調査機関のIDCが「IDC中国スマートフォン保有台数報告」(以下「報告」と略称)を発表し、この疑問に一つの答えを提示してくれた。

報告によると、iPhoneはAndroidのスマホと比べると買い替えサイクルが長く、また2019年のiPhoneユーザーの比率は2018年よりやや下がったが、それでも中国国内最多の18.9%に上っている。

画像はIDCのWeChat内の公式アカウントより

この高い保有比率に貢献したのがiPhone 6と7だ。両機種は直近5年間のアップルのスマホ出荷台数に占める割合が大きく、今も使い続けているユーザーが多数いる。彼らからすれば、新しいiPhone SEの外観は手持ちの機種と似ており、違和感なく使用できる。そのうえCPUやOS(オペレーションシステム)の改良が行われ、買い替え意欲を十分刺激できるものになっている。iPhone SEの低価格、そして外部のECプラットフォームと共同で行う高額下取りプランなどからも、ユーザーをiPhoneシリーズにつなぎとめ、今後の機種交換へとつなげる狙いが見て取れる。しかし、同じ価格帯のAndroidスマホを使用するユーザーからすれば、大画面ディスプレイとマルチカメラを持たないiPhone SEの魅力は薄いだろう。

画像はIDCのWeChat内の公式アカウントより

iPhone SEの価格帯は400〜600ドル(約4万3000円〜6万5000円)でミドルレンジに属する。この価格帯の機種は2019年に二分化し、よりコスパの良い低価格帯か、上位の高価格帯へとシフトする動きが見られた。

中国国内のミドルレンジのシェアを見ると、2019年はファーウェイがトップで、「vivo」、「OPPO」がそれに続く格好だ。販売チャネル別にみると、オフラインではファーウェイのリードがさらに広がり、第2位は「Reno」シリーズが好調なOPPOだ。オンラインではオンライン販売に特化した「一加(OnePlus)」がトップ3に食い込んだ。

画像はIDCのWeChat内の公式アカウントより

IDC中国の王希氏は次のように見ている。5G対応とスマホカメラ用の部品の価格が高騰し、さらに中国国内のメーカーが高級化戦略を採用し始めているため、2020年の中国国内のスマホの単価はさらに上がり、ミドルレンジの競争が激しくなる。そのなかで、iPhone SEは旧機種のiPhoneユーザーがターゲット顧客という非常に明確な位置づけであり、アップルがミドルレンジに攻勢をしかけたというより、ミドルレンジの顧客を確保するための守りの戦略だと言える。

(タイトル画像はアップルの公式サイトより)

(翻訳:小六)

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