アップルの新型「AirPods」発表は来年に延期か ベトナム生産へシフトで中国依存からの脱却進む

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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、アップルの新型ワイヤレスイヤホン「AirPods」の発表時期が当初予定されていた今年秋頃から延期されることになったと、日本経済新聞が報じた。

これはアップル製品に詳しい「天風国際証券(TF International Securities )」のアナリスト郭明錤(ミンチー・クオ)氏の予測とも一致する。郭氏はかつて投資家に向けたリポートの中で、AirPods(第3世代)は2021年上半期に量産を開始し、AirPods Pro(第2世代)は2021年第4四半期から2022年第1四半期の間に量産を開始するとしていた。さらに、発売のうわさがあったアップルのオーバーイヤー型ヘッドホンは2020年中頃に量産に入るとしている。

郭氏は、新型AirPodsが2020年下半期に発表されるといううわさがあることを認めた上で、新たに発表されるのはAirPodsではなく、オーバーイヤー型ヘッドホン「beats」のニューモデルだと語っている。アップル関連で精度の高いリーク情報を発信するジョン・プロッサー氏は先月、アップルがスポーツ向けの新しいワイヤレスイヤホン「AirPods X」を今年の9~10月にも発表すると予測した。

アップルは2019年3月にAirPods(第2世代)を発売、同年10月末にはノイズキャンセリング機能付きの高性能モデルAirPods Pro(第1世代)を発表した。

日本経済新聞によれば、アップルは今回のコロナウイルスの問題で過度の中国依存が引き起こすリスクを再認識したという。分散投資の必要性を説く「卵は一つのカゴに盛るな」という格言の通りに、停滞していた「サプライチェーン分散計画」を改めて推進する考えだ。今四半期には、アップルとしては初めてベトナムでAirPodsの大規模生産を行うという。

報道によれば、現在AirPodsの大半は中国で生産されているが、今四半期のAirPods生産台数の30%に当たる300万~400万台をベトナムで生産するとのこと。しかし昨年10月に発売された高性能モデルAirPodsProは引き続き中国で生産される。

アップルは昨年6月に、ベトナムでのAirPods生産に意欲的な姿勢を見せており、サプライヤーに対しても生産量の15~30%を中国から東南アジアの地域へ移行するようにと要請している。しかし今年に入ってからも、AirPodsの生産は全て中国国内で行われてきた。

アップルの有線イヤホン「EarPods」は早くにベトナムで生産を始めているものの、完全ワイヤレスのAirPodsの生産となれば難易度は格段に上がる。人材募集やトレーニング、サプライチェーン全体の再構築なども必要となり、生産ラインをベトナムに移転するにはハードルが山積みだ。

ベトナムの人口はわずか9554万人、中国の河南省の人口とほぼ同じだ。労働集約型産業では大量の労働力を必要とするため、人件費の安いベトナムに生産拠点を構えようとする企業にとっては人材確保が共通の課題となるだろう。

AirPodsはアップル製品の中でも最も成長率が高く、ワイヤレスイヤホンとしては世界で断トツの販売台数を誇る。調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチのデータによれば、同製品は昨年、ワイヤレスイヤホン市場で約50%のシェアを獲得し、およそ6500万台を販売した。2020年には販売台数が1億台の大台に乗るとみられている。
(翻訳・畠中裕子)

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