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中国通信機器大手ファーウェイ(華為科技)の輪番会長を務める郭平氏は、米国が輸出禁止措置の強化を表明したことに対して「結局は米国自身の利益を損なうことになる」とコメントした。
郭氏は5月18日の2020年度アナリスト大会で「米国は他国の先進的な企業を必死に叩いているが、それは米国の技術に対する国際的な信頼を損ない、世界的な産業の対立を助長することにしかならない」と米国の対応を非難した。
そのうえで「どんな抑圧に面しても、我々はグローバル化への道を決して捨てることはない。過去7年間でファーウェイが部品調達に投じた金額の年間平均成長率は27%に上り、昨年だけで米国から187億ドル(約2兆円)分を調達した。もし米政府が認めるなら、引き続き米企業の製品を購入する」と語った。
その後、ファーウェイのスポークスマンが次のような声明を発表した。
「ファーウェイは米商務省の措置に断固として反対する。昨年5月にいわれもなく米国の制裁対象リストに加えられてから、産業部品の大量入手が困難になる中で、我が社は顧客やサプライヤーとの契約を履行するために最善を尽くし、苦境に面しても成長を続けようと全力を注いできた」
「事業に影響が及ぶことは避けられない。我々は最大限の努力を傾けて解決策を探り、この差別的な規制のもたらす悪影響を取り除くべく顧客、サプライヤーと一丸となって立ち向かっていきたい」
米商務省産業安全保障局(BIS)は15日、米国の技術や装置を使用する半導体メーカーがファーウェイに輸出する場合、米政府による輸出許可を必要とする新たな規定を発表した。
この規定は米国以外に生産拠点を持つメーカーにも適用される。つまり米企業かどうかにかかわらず米国の技術を使用する製品は全て、ファーウェイに輸出する際に米政府の許可が必要になるということだ。例えば台湾の半導体大手TSMC(台湾積体電路製造)がファーウェイ傘下の半導体メーカー「HiSilicon(海思半導体)」に部品を供給するのを、米国が阻止することも可能になる。
郭氏によれば、米国の制裁対象リストに加えられてから1年間にファーウェイが受けたダメージは深刻なもので、それを穴埋めするために研究開発費が30%も膨れ上がったという。
「輸出禁止措置はファーウェイの事業に多大な影響をもたらした。昨年の事業計画の遂行にも支障をきたし、売上高は業績目標より約120億ドル(約1兆3000億円)も目減りした」
ファーウェイ創業者の任正非氏はかつて自社を、被弾して穴だらけになりながらも飛び続ける攻撃機に例えている。今回のアナリスト大会でその画像がまた映し出され、それと共に郭氏の並々ならぬ決意と信念が表明された。
(翻訳・畠中裕子)
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