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8月4日、中国の民間調査機関大手「胡潤研究院(Hurun Resarch Institute)」が発表した「2020胡潤世界ユニコーンランキング」で、1位にアリババグループ傘下の金融サービス「アントグループ(前アント・フィナンシャル)」が選出された。企業価値は1兆元(約15兆2000億円)。続いて人気ショート動画アプリTikTok(中国国内では「抖音」)を運営するバイトダンス(字節跳動)が5600億元(約8兆5000億円)で2位、中国配車サービス最大手の滴滴出行(DiDi Chuxing)が3700億元(約5兆5500億円)で3位だった。これらは米EVメーカー・テスラのイーロン・マスク氏により設立された宇宙開発企業「SpaceX」を上回っている。
しかし、滴滴に対しては過当評価だとする投資家の声も聞かれる。実際、近年の私募債市場では滴滴の価値は下がっている。
再有望視される自動運転事業の現在地
滴滴で最も有望な事業は自動運転だ。今年6月、滴滴は上海市で自動運転タクシーの試験運営を始めた。ロイター通信の報道によると、2030年までに100万台を運営する計画だ。
滴滴は配車サービスで道路や車両の運営データを大量に蓄積しており、自動運転に応用できる。
しかし、年初に予定していた自動運転車両の投入は実際は半年遅れ、このほど発表した3年計画では、自動運転事業に一言も触れていない。
滴滴は6年間の損失が累計390億元(約5900億円)に上り、自動運転の研究開発に多額の予算を割くのは難しく、主要業務のオンライン配車事業も成長が頭打ちだ。
次の成長分野を探す
2020年3月、滴滴はコロナ禍を受け、ドライバーが代行で物を受け取りに行ったり代理購入したりする「おつかい」サービスを始めた。
中国の産業研究機関「Qianzhan Industry Research Institute」によると、市内物流市場では充分な輸送能力が確保できているが、供給と需要のマッチングが弱点だ。ここにオンライン配車企業の参入余地がある。
コンサルティング会社「iResearch」は、市内輸送の市場規模は今年にも1兆元(約15兆2000億円)を突破するほか、今後3~5年は5~7%の成長を維持すると予想する。
しかし、利幅が薄い、サービスを標準化しにくい、ユーザーである企業がプラットフォームを使用せず直接運転手と連絡を取る可能性などの問題があり、滴滴が貨物輸送業務に本格着手するのは自動運転技術を確立してからになると考えられる。
さらに、滴滴は公共交通分野に手を広げようとしている。
滴滴はタクシー、ライドシェア、代理運転、貨物輸送などさまざまなサービスで需要を満足させ、ニッチ市場の価値を掘り起こし、オンライン配車事業の業績好転を図っている。
自動運転技術がさらに展開すれば、滴滴は自動運転を利用したサービスの中国最大のプラットフォームになるかもしれない。しかし、それには早く技術を確立することが前提となる。
(翻訳:二胡)
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