バイドゥ投資の中国最大級Q&Aサイト「知乎」、動画コンテンツ強化で制作者に奨励金制度

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2020 年になっても、ショート動画の人気は続いている。中国の10歳以上のインターネットユーザーを対象に行った調査によれば、91.2%のユーザーがショート動画を視聴したことがあり、単純計算すれば約7.92億人がショート動画を視聴したことがある。一人当たりの視聴時間は、昨年の1日54分間から76分間に増えた。

その人気にあやかろうと、バイドゥ(百度)が出資した中国最大のQ&Aサイト「知乎(Zhihu)」もショート動画コンテンツを強化しようとしている。アプリのトップページに、「動画」のタブを追加しただけでなく、10月12日、知乎はショート動画の制作者を募集するキャンペーンを開始した。審査を通過した後、知乎で1分間以上のオリジナル動画を配信すれば、奨励金、トラフィック誘導などの対象となることができる。知乎はさらに、動画制作ツール、動画制作レクチャーなども提供する。

動画制作ツールの画面 画像は知乎より

このツールは、「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」や「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」、「ビリビリ動画」のようにエンタメ性の強い動画を制作するためではなく、知乎によく見られる長文の回答テキストを動画解説に変更するためのものである。知乎の人気回答者のなかには、このツールを使って動画を作成し、奨励金を受け取った者もいる。

知乎のユーザーはショート動画を受け入れるのか

知乎の動画制作ツールがテキストを動画に変換する形となったのは、従来のユーザーの好みに合わせようとした慎重な一歩だと言える。しかし、知乎で視聴できる動画を確認すると、同社の構想通りに進んでいないことがわかる。

ゲストとして知乎のレコメンドページにアクセスしてみたところ、トップページの一番上には必ず動画が表示され、スライドしていっても、5つのQ&Aテキストごとに、動画が表示される仕組みになっていることがわかった。

問題は、これらの動画が、知乎が望むような知識を解説するものではないことだ。大半が猟奇的な映画や事件の紹介、インフルエンサーの歌や踊り、そしてエンタメニュースである。結局、ほかのショート動画プラットフォームと大して変わらないのだ。

知乎のスクリーンショット

知乎のユーザーはこの動画をどう思っているのだろうか。知乎アプリ内で「知乎+動画」で検索すると、もっとも上位に来るのが「どうやって知乎内の動画を表示できないようにするか」、「知乎のレコメンドに動画が多すぎることをどう見るか」である。書き込みを見ると、大半が動画の増加に不満を表明したものだ。

なぜ知乎がショート動画を手掛けるのか

知乎もいきなりショート動画を始めたわけではない。2018年6月にも、アプリのトップページに「動画」タブを追加したことがあった。当時の動画はエンタメ、お笑いが中心で、知乎の独自色がないため反応が悪く、すぐにサービスは終了し、運営チームも解散となった。

次に、知乎は2018年末に、「即影」というショート動画アプリの内部テストを始めた。「手軽に面白い日常を記録する」ことを謳うこのアプリは、SNS機能を重要視したものだが、2019年4月15日に、「既定の目標を達成できなかったため」という理由で、「即影」のサービスも終了した。

知乎はまた、Q&Aに書き込む際にショート動画をそのままアップロードできるようにするなどの試みを行ったが、この機能の利用者も伸びていない。テキストに慣れ親しんだユーザーは、ショート動画という媒体にはどうしても馴染めないようである。

さらに知乎にとって悩ましいのは、自社のプラットフォーム上で蓄積してきたコンテンツが無断で使われることがあることである。たとえば、ビリビリ動画で半年間で300万のフォロワーを獲得した人気配信者の動画が、知乎の回答を無断転載し、知乎で公式謝罪をするトラブルも起きていた。このことからわかるのは、知乎に優れたコンテンツがあるにもかかわらず、それをテキスト以外の形に変換し、ユーザーに届けることができていないということである。

なかなかショート動画での飛躍のきっかけを掴めない知乎を尻目に、ショート動画業界の寡占化が進んでいる。統計によると、ショート動画視聴者がよく使うプラットフォームの数は、2018年の5つから2020年の3つに減り、62.2%のユーザーが2つ以下となっている。抖音と快手が絶対的な強さを誇り、2者だけでアクティブユーザー数の75%を占める。そのため、知乎もなりふりかまわずに、奨励金などで賭けに出たのである。(翻訳:小六)

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