ソフトバンク中国も出資 「28分以内に配送」の医薬品小売新興が約160億円を調達

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ソフトバンク中国も出資 「28分以内に配送」の医薬品小売新興が約160億円を調達

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中国医薬品ニューリテール企業「叮当快薬(Dingdang Medicine Express)」が近ごろ、シリーズB+で10億元(約160億円)を調達したことがわかった。本シリーズでは「泰康保険集団(Taikang Insurance Group)」「海爾医療(Haier Medical)」「北京中関村龍門投資(Longmen Investment)」「招銀国際(CMB International)」傘下の「招銀電信基金(CMB-Telecom Equity Investment)」「国薬中金(Sinopharm-CICC)」「ソフトバンク・チャイナ・ベンチャーキャピタル(SBCVC、軟銀中国)」が共同で出資し、「華興資本(China Renaissance)」が財務顧問を務めた。

叮当快薬の創業者で董事長を務める楊文龍氏によると、今回調達した資金は主に「千城万店(中国全土にスマートサービスを拡大していく戦略プロジェクト)」に充てるという。年内には新たに10都市でサービスを開始し、2021年は全国の主要な一~三級都市を網羅する計画だ。

同社は医薬品のニューリテールを手掛ける企業で、自社直営型のスマート薬局「叮当智慧薬房(Dingdang Smart Pharmacy)」と自社で手掛ける専門の薬品配送チームを通して「製薬工場直売、ネット予約で自宅まで配送(もしくは店頭受取り)」というモデルを築いた。同社は全国の大都市の中心エリアで年中無休の24時間営業体制を取り「1分間で医療相談をセッティング」「28分以内に薬を自宅配送」というサービスを提供している。現在、叮当快薬は北京市、上海市、広東省など10以上の省や市で医薬品ニューリテールの布陣を完成させている。

現在、中国のメディカル・ヘルスケア市場では急性疾患の治療から慢性疾患の経過観察へとトレンドが移っている。薬品の集中仕入れにより値段を下げることを狙いとした関連政策の施行や慢性疾患の患者が年々増加していることも追い風となり、慢性疾患の経過観察市場には大きなポテンシャルがあるといえよう。この背景のもと、叮当快薬は「慢性疾患用薬と管理サービス」を新戦略の重点とし、薬品の集中仕入れ、DTP(薬局向け直販)、プラットフォームでの割引などの方法で慢性疾患用の薬品価格を下げ、患者が信頼できる品質で供給の安定している薬をより安い価格で入手できるようにした。そしてこれにより同社はさらに大きな市場シェアを獲得した。

製薬企業との提携に関しては、2015年に同社が結成し国内外の製薬企業数百社が加盟する「FSC製薬企業連盟」の強みを生かし、メーカー、商品、チャネルなど川上から川下の資源を統合。多くの新薬が初めに売り出す際のプラットフォームとして選択されている。

同じ医薬品の取り扱いでもプラットフォーム先行型の企業に比べ、叮当快薬は実店舗、技術、運営、配送などの直営戦略を通してプロセス全体を確実に把握し、薬品の迅速な配送やサービス体験などでより強みを握る。

シリーズB+で同社に出資した泰康保険集団でエクイティ投資戦略部の責任者と董事総経理を務める徐軍氏は「叮当快薬はユーザーのニーズをよく理解し、これに即時に応えることで、市場でも良好な口コミとブランド力を持っている」と話した。両者は今回の提携を通して「医療・薬品・保険」の産業エコシステムを構築し、OMO(オンラインとオフラインの融合)型の事業モデルによって消費者に効率的で専門的な健康管理サービスを提供することに全力を尽くすという。

同じく今回の出資者である海爾医療の倪小偉CEOは「メディカル・ヘルスケア分野へ専門的に投資している我々は、企業が医療・薬品のサプライチェーンとニューリテール体制を構築できているか、その能力があるかをとても重視している」と語った。叮当快薬の叮当智慧薬房はすでに北京、上海、広州、深圳、成都、天津、南京、杭州、武漢などの都市に布陣を敷いており「千城万店」モデルを通して二~三級都市にも急速に展開している。同氏は叮当快薬の将来的な発展を見込んでいるとした。(翻訳・山口幸子)

 

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