中国、競売物件の購入もデジタル化進む 入札後のトラブルなどワンストップでサポート

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中国で競売物件市場が急成長している。あるデータによると、2013年から2018年の間に競売にかけられた物件の入札総額は100億元(約1550億円)から1兆元(約15兆5000億円)規模へと膨らんでいる。物件数でみても、今年になって競売にかけられた物件は前年の倍となっている。

急成長の背景の一つは、最高人民法院(最高裁に相当)がインターネットを介した競売を推進したこと、もう一つは金融規制の強化によって、銀行が債務不履行で差し押さえた担保物が迅速に競売にかけられ市場に流通するようになったことだ。

中古物件よりも値引き率の高い競売物件に、上海や杭州、成都など競売物件の購入制限がない都市では、不動産を購入したい多くの人が市場に押し寄せている状況だ。

1兆元規模とはいえ、ベールに包まれた市場でもある。大多数の一般ユーザーは競売についての知識が乏しい。市場そのものがアーリーステージにあり、購入希望者への情報提供も不足し、サービスの質も玉石混交だ。

林嘉鵬氏は昨年、こうした競売物件市場の現状を知り、自身が物件を購入した経験から、同年末に「猩拍房(Xingpaifang)」を設立。顧客に対し専門性が高く確実なワンストップサービスの提供を目指している。

林氏によると、競売物件の取引過程では以下のような問題点が存在する。

一つ目は情報収集の効率が悪いことだ。最高人民法院は2016年にインターネット競売プラットフォームとして「タオバオ(淘宝網)」「京東(JD.com)」など5つのプラットフォームを認可したが、購入希望者は物件検索にあたりこれらのプラットフォームで個別に検索をかけなければならない。さらに裁判所が掲示する競売通知も参照する必要があり、情報収集に時間も労力もかかる。

二つ目は取引コストが高いことだ。入札者は入札後2週間以内に裁判所に全額を支払わなければならず、保証金も納める必要がある。

三つ目は引き渡しや立ち退きにまつわる煩わしさだ。競売物件の10~15%には整備・退去問題が存在し、入札した物件にまだ人が住んでいたり、退去に合意しなかったりするケースがある。こうした実情について入札者が事前に知ることは難しく、入札後にさまざまなトラブルに見舞われることになる。

猩拍房はこうした課題を踏まえて競売物件の情報プラットフォームを打ち出した。コンサルティングや内見、入札補助、デューディリジェンス、退去問題などをワンストップで支援し、スムーズな取引を保障する。

今年5月にはミニプログラム(ミニアプリ)を正式ローンチした。前出の5つのオンライン競売プラットフォームのデータを一カ所にまとめ、裁判所通知も構造化している。

林氏によると、プラットフォームをまたいだ物件データの統合は難しいものではない。それよりもオフラインでのサービスが核になるという。競売物件は中古物件に比べ民事紛争に発展するリスクが高く、仲介サービスは保険サービスに近い性質を帯びる。しかし、物件購入希望者にはここに予算を割く意向が強い。

猩拍房はまず内陸の重慶市で三つの拠点を構え、50人からなる組織を編成した。年末までには100人体制にする予定だ。重慶での事業は急成長しており、4カ月以内に50件近い取引を完了した。取引1件にかかる期間は平均2カ月だという。

収益モデルとしては取引終了後に一定額のコミッションを徴収する形だ。中古物件取引の相場より高額だという。

今後は湖南省長沙市、山東省青島市、浙江省杭州市などを優先的に開拓していく。さらに独自にSaaSを開発し、将来的にはこれを業界内で開放して都市ごとに代理店と提携、市場開拓を加速していく計画だ。

猩拍房の本社は北京にあり、重慶と深圳にも拠点を置く。創業者の林嘉鵬氏は中国初の民間ビジネススクール長江商学院(CKGSB)でEMBAを取得。仮想通貨の相場データアプリ「AICoin」」を共同創業、ブロックチェーンによる取引システム「TigerCloud(老虎雲)」を創業し、ダウンロードマネージャーを手がける「迅雷網絡科技(Xunlei Network Technologies)」の製品開発なども手がけた。共同創業者の郭浩氏はシンガポール南洋理工大学(NTU)の出身で、シンガポールのHFT(高頻度取引)業者「Grasshopper」でデータ分析などを担当、製品技術開発で5年以上のマネジメント経験がある。(翻訳・愛玉)

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