消費需要が電動車椅子産業に追い風、Delta Roboticsが新型電動車椅子を開発
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近年、中国の車椅子業界は急速な成長傾向を保っている。日常生活に支障のある高齢者や身体障害者の増加その成長の大きな要因だ、中国の一、二大都市の老齢人口比率はすでに20%に迫っており、障害者人口も2400万人近くになる。彼らは歩行困難者であり、車椅子の補助を得て初めて不便のない生活を手に入れることができる。
アメリカ車椅子協会の統計によると、国際市場での手動車椅子と電動車椅子の売り上げは1:1だという。先進国では車椅子は医療保険の適用範囲であるため、電動車椅子の購入者が多い。発展途上国においては価格の安さから大多数が手動車椅子を選ぶ傾向にある。しかし、我が国においては所得の増加や消費者の生活改善に向けた意識の向上などにより、ここ数年は電動車椅子の需要がますます伸びている。潜在的な市場規模は数千億元とみられている。
電動車椅子の需要増加に対して、開発と生産に関する能力はまだ対応しきれていないのが現状だ。現在の車椅子の生産能力は一年におよそ300万台だが、その内訳のほとんどが低コストの手動車椅子だ。電動車椅子やスポーツ用車椅子のようなハイエンド製品は生産量10〜20%にすぎず、多くは輸入に頼っている。
中国の電動車椅子・スポーツ用車椅子の主要な生産拠点は上海、広東、浙江、天津などである。有名なブランドは江蘇の魚跌、上海の互邦、広東の仏山や凱洋、日本三貴などだ。しかしその製品の多くは依然として既存のものと同じ設計である。
本社を北京に構えるDelta Roboticsが開発した電動車椅子は、歩行困難な老人や下肢に障害のある人の仕様の他、空港やショッピングモールなどの歩行代行サービスのために提供されている。Delta Roboticはすでに日本WHILL社のModel Cに匹敵する製品サンプルの開発を終えている。
次世代の車椅子、または歩行代替ツールとして、Delta Roboticsはユーザーの運転の体験に注目している。登坂能力、継続走行力、回転半径などの能力に加え、快適度や調整力など数値化できない評価にも関心を寄せている。また豊かな運転体験を保証した上でDelta Roboticsはさらに外観の良さにもこだわり、ワンランク上を求めるユーザの需要に答えようとしている。外観の革新においては設計の問題だけではなく、量産をスムーズに進めるための構造に対する深い理解が要求される。
Delta RoboticsのCEO、李宇杰氏は36krの取材に対し、多数の類似産品を研究し尽くした上で優れた最適の設計を行い、サンプルの完成後も数百のモニターによるフィードバックを取り入れた。現在サンプル機の性能はModel Cに肩を並べるほどであり、さらなる最適化を加えた上で、2018年の7月から9月の間にファーストモデルを発売することが予期されている。
Model Cのユーザーを対象に製品性能だけでなく、価格に関してもほとんどのユーザーが受け入れられる価格帯を目指す必要がある。Delta Roboticsの販売対象はModel Cのユーザーと概ね一致するが、国内サプライヤーとの連携を優位点として、サプライチェーンの管理におけるたゆまぬ努力により、当該製品の製造コストはModel Cの半分程度だという。
また、自動運転はDelta Roboticsの製品だけが持つ基本性能である。李宇杰氏が語ったところによると、すでに自動運転のプラットフォームが開発されており、未来においては運転上の安全を保障した上で、他のスマートデバイスからのアクセスを許可することにより、より多くのサービスを提供する予定だ。セカンドモデルからはファーストモデルを基本とした上に、自動で障害物を避ける機能も加える。
Delta Roboticsの主要な利益は製品の売り上げによるものであり、電動車椅子の本体フレームの寿命は約5年、車輪と電池の寿命は1年以内だ。Delta Roboticsに対してはすでに数百台の注文の意向が寄せられており、発売後初年度の販売量は1万から3万台、そのうち2Cと2Bが半分ずつを占めると見られている。
他の伝統的な車椅子メーカーと比べて、Delta Roboticsは幅広いスマートデバイスとのシステム連携や、国内サプライチェーンに強い優位性を持つインターネット企業だ。Delta Roboticsはこれらの優位性を生かして、製品のサイクルを加速させ、ブランド力の確立を目論んでいる。
Delta Roboticsは現在11人の企業だ。2017年8月にはすでに数百万元の投資資金をエンジェルラウンドにより集め終えており、現在はAラウンドによる2000万元分の新たな投資を募っている。これらは量産や営業活動に持ち言われる予定である。創始者である李宇杰氏は北京航空航天大学出身で、ACMのコンペティションでトップになったこともあるアルゴリズムに関してエリートであり、起業家である。共同創始者の郑晓君氏は北京大学卒、10年に渡る埋め込み式ハードウェアの開発と、営業における経験を持っている。