アジアのスタートアップ30社集結、ピッチイベント「AEA2020」で中国新興の建築テックが3位受賞

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アジアのスタートアップ30社集結、ピッチイベント「AEA2020」で中国新興の建築テックが3位受賞

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成長著しいアジアのスタートアップを集めた「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2020(AEA 2020」が、2020年10月27日〜29日の日程で開催された。

同イベントは、アジア各国との連携による日本主導のイノベーション創造プロジェクト。産官学が一体となったアジアのベンチャー育成・支援を推進する生態系(エコシステム)の構築に繋がることを目指す。9回目の開催となる今年は、新型コロナウィルスの影響により初のオンライン開催となった。

今年はニューノーマルの世界で重要と目される4つのテーマ「ヘルスケア」「コミュニケーション」「働き方改革」「QOL(生活の質)」が設定され、日本、中国、シンガポール、韓国、タイ、インドネシアなど13の国・地域からスタートアップ30社が集結した。

そのうち、中国からは3社が参加。BIM(Building Informatioon Modeling)やAR・VR技術を活用する建築テック「以見科技(Onesight Technology)」、半導体産業の成熟した技術を駆使し、低コストで小型の精密注入マイクロ流体MEMSポンプの設計・製造を手掛けるバイオテック「瞬知科技(Healtel Medical Technology)」、ロボット、ドローン、人工衛星などから収集した画像や動画を解析するAI技術の「Anavision(香港)」だ。

最終のピッチコンペティションで、食品劣化を防ぐ可食フィルムを開発するタイの「Eden Agritech」が優勝し、多孔性ニッケルチタン(NiTi)製インプラントの開発を手掛けるマレーシアの「Nitium Technology」が2位、中国の以見科技が3位を獲得した。

受賞式の様子(画像:AEA2020より)

2018年に創設された以見科技は、BIM3Dモデルを基盤に、AR・VRやIoTなどの技術を活用し、建築設計、施工、維持管理までのあらゆる工程を可視化させる。それにより、施工の精度を向上させ、管理コストの削減も実現できる。同社のコアメンバーは中国名門の浙江大学、復旦大学のほか東京農工大学などの出身で、建築工学やコンピュータサイエンスの分野において豊富な経験を持つ。また、米マイクロソフトの AI & IoT Lab、Amazonの AWS Joint Innovation Center、重慶大学、その他の有名な研究開発センターや大学と連携し、新技術を模索する。

以見科技のソリューション(同社公式サイトうより)

同社の顧客は政府機関、中国不動産開発や商業施設運営などを手がける大手企業が名を連ねる。将来的には海外市場での拡大も視野に入れ、すでに日本やシンガポールに進出している。

日本では竹中工務店などとも協業。創業者の蒋童氏によると、清水建設や鹿島建設とも技術提携の話を進めているという。2019年、同社は住友商事グループ傘下CVCで中国や東南アジアへの投資に特化する「Sumitomo Corporation Equity Asia」から出資を受けている。

日本市場について、蒋CEOは大きなポテンシャルがあると信じている。

「日本の建築業界は非常に成熟しており、世界トップレベルのノウハウを擁する。建築業界のデジタル化が進む中、我々のソリューションが力添えになることを期待している。日本のパートナーとは小規模の運用プロジェクトからスタートし、信頼関係を築いた上で協業関係をより深めていきたい」

日本からの引き合いが増えており、来年には現地法人を設立する予定だ。

同じくAEA2020に参加した中国企業・瞬知科技は2017年に設立された。同社の主力製品は、医療用MEMSベースの超低消費のパッチ式インスリンポンプだ。インスリンポンプは患者にインスリンを持続的に注入するコンピューター制御の小型医療機器で、1日に何度も手動で注射をしなければならない従来のインスリンペンに比べて、3~7日に1回、輸液装置とインスリンリザーバーを交換するだけで済むので、患者を苦痛から解放する。また、注射の精度も高く、時間帯ごとに注入量を変更できるため、より生理的な分泌に近いインスリン分泌パターンを維持できるのが特徴だ。

同社の半導体技術によるソリューション(公式サイトより)
創業者の徐亦博氏 

創業者の徐亦博氏は、チップ設計世界大手の米マーベル・テクノロジーでシニア・プロダクト・マネージャーを務めた経験を持ち、チップ開発に長年携わってきた。

AEA2020への参加については、「弊社は中国以外の海外市場を積極的に開拓しており、来年にはEUの医療機器認証を取得する見込みだ。 日本市場へは代理パートナーや大手製薬会社とのODM提携を通じて参入したい」と語った。

(作者:Ai)

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