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ファーウェイ、サブブランド「Honor」を1.6兆円で売却へ クアルコムからのチップ調達にも光

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36Krが複数の情報筋から得た情報によると、ファーウェイがスマートフォンのサブブランド「Honor(栄耀)」の売却を計画しているという。

ある関係者によると、Honor事業の売却価格は約1000億元(約1兆6000億円)で、IT大手「神州数碼(Digital China)」、政府系の投資会社のほか、家電大手「TCL」などから成る少数株主のグループが株式を取得するという。ロイター通信も売却価格を1000億元と報道している。ただスマートフォン大手シャオミ(Xiaomi)の時価総額に照らして、売却価格は2000億元(約3兆2000億円)にまで膨らむという関係者もいる。

Honor事業の売却に伴い人事面でも大きな調整が加えられる。情報によれば、8000人の従業員は全て、ファーウェイの深圳本社がある坂田キャンパスから別の場所にある社屋に移ることになる。

またファーウェイのコンシューマー事業部でCOOを務めていた万飈氏がHonorに移籍するという。同氏は1996年のファーウェイ入社後、スマートフォン、IoT、海外事業という重要部署でいずれも責任者を務めたことのあるベテランだ。

すでに多くの従業員が異動に関する辞令を受け取っており、チームごとHonorへ移籍するケースもあるという。「Honor製品の研究開発やサプライチェーンはこれまでファーウェイ頼みだったため、事業分離した後はファーウェイの人員を投入して事業を支えていく必要がある」と従業員の一人は語っている。

36Krではこれらの情報に対してファーウェイに問い合わせたものの、現時点で回答は得られていない。

Honorはオンライン販売向けのスマホブランドとして2013年に誕生した。ファーウェイは今年4月にHonor事業を担う新会社を立ち上げ、分社化している。

低価格帯に絞ったHonorの投入で、ファーウェイはミドル・ローエンド市場へ一気に攻勢をかける。当初Honorがベンチマークにしていたのは、オンライン販売と高コスパを武器にしていたシャオミだが、IT専門調査会社IDCがまとめた2017~2018年のスマホ出荷台数では、すでにHonorがシャオミを上回っている。2019年以降はオフライン販売にも力を入れ、OPPOやvivoとの全面対決に突入した。

香港の市場調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチが発表した2019年のグローバルスマートフォン市場に関する報告によると、Honorも含めたファーウェイのスマホ出荷台数はアップルを抑えて世界2位となった。

ファーウェイにとって最大の懸案であるチップ問題にも光が差してきた。内部事情に詳しい人物によると、米半導体大手のクアルコムがファーウェイに対する部品供給の許可を取得したという。これが事実なら、瀕死の状態にあるファーウェイのハイエンドスマホにとって希望の光となる。

11月5日、クアルコムは第4四半期財務報告の中で、ファーウェイから特許使用料として18億ドル(約1900億円)を一括で受け取ったことを認め、同社に部品を供給するための許可を申請していることを明らかにした。

ファーウェイに対する米政府の半導体輸出規制が発効した9月15日以降、ファーウェイはスマホやスマートデバイスに搭載するチップが調達できないという窮地に陥っている。

Honor事業の売却は、米国の制裁を回避する手段と考えるのが自然だろう。

ファーウェイの「花形」とも言えるHonor事業の売却とあって、その争奪戦が早くも始まっている。10月初旬からすでに株式取得を希望する企業との折衝が続いており、その中には先に挙げた神州数碼やTCLのほかテック企業「福瑞電子(Frey Electronic)」や新興自動車メーカーBYD(比亜迪)、クアルコムなども含まれているという。

Honor事業の売却が完了すれば、中国のスマホ市場は大きな変化の波を迎えるに違いない。
(翻訳・畠中裕子)

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