中国全店舗閉店のしまむら、中国3000店舗を目指すユニクロ その決定的な違いは 

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中国に進出した日本のアパレルメーカー2社にとって今年10月は運命の大きな分かれ目となった。

日本を代表するカジュアルブランドのユニクロ(UNIQLO)は中国での市場拡大の歩みを緩めず躍進中だ。中国での店舗数がついに日本を超えた。今年8月末時点での中国での直営店は767店舗、一方、日本は764店舗となった。

ユニクロの親会社であるファーストリテイリングの会長兼社長を務める柳井氏は、今後も中国での店舗拡大をしていく考えを示し、人口に照らせば3000店舗まで開店することが可能だとの意向を示した。

一方、ユニクロの強敵である「しまむら」(中国事業は同社の100%子会社である飾夢楽(上海)商貿有限公司が運営)は中国店舗の閉店を決めた。10月25日には中国にある最後の一店舗を閉じた。

しまむらは2012年、上海に一号店をオープンした。その後、8年間で12店舗まで伸ばしていたが、ユニクロの足元にも及ばなかった。日本での出店規模と比べても、しまむらの中国での売上高は微々たるものだった。

しまむらの2020年2月から8月までの決算報告によると、売上高は前年同期比8.3%減の2542億円。うち中国市場での販売額は同54.6%減のわずか500万元(約8000万円)ほどにとどまっている。

ユニクロが躍進する一方で、しまむらは中国市場からの撤退。その差はどこにあるのだろうか。

躍進と撤退の分かれ目

この日本を代表するアパレルメーカー2社は商品にしても店舗にしてもその位置づけは揺るぎないものである。日本市場での優劣を考えてみれば、中国市場での勝敗ももっと早くにわかっていただろう。

2社の違いは以下の三点にまとめられる。

一つ目は、中国市場への参入時期だ。ユニクロは2002年9月に中国市場一号店となる店舗を上海にオープンした。その後は北京、広州、杭州など一~二級都市で店舗を展開した。

一方のしまむらはユニクロから10年遅れの2012年に一号店をオープンした。当時はZARAやユニクロなどのファストファッションブランドが中国市場ですでに定着しており、競争も激しく、しまむらが参入できる市場自体がさほど多くは残されていなかった。

二つ目に、中国市場向け商品の差だ。消費者は「しまむらの日本の公式サイトで見る限り、品質も良く、かわいい商品が多いが、中国国内で販売している服はやぼったい」と不満を漏らしている。店内の雰囲気もありきたりのインテリアでステータスが感じられないという。

中国消費者がしまむらに抱くイメージは「おばさん服」や「安物」だ。閉店時の在庫一掃セールのときにも、「使えるのは下着くらい」とリマインドした消費者がいたほどだ。

一方のユニクロはといえば、商品展開が速く、ここ数年は有名人をイメージキャラクターに起用したことや、コラボ商品を打ち出したことで若者層をとりこにしている。昨年6月には、アーティストKAWSとコラボしたTシャツを売り出した。発売日にはそのTシャツを手に入れようと押しかけて争奪戦を繰り広げる動画の数々がネット上にアップされたことも、記憶に新しい。

三つ目に、オンライン展開の差だ。しまむらは中国市場ではほとんど透明人間的な存在で影が薄かった。中国市場への軽視と保守的なビジネス姿勢が起因しているといわれている。

販売戦略にしても店舗数が少なく、その上店舗展開も上海と浙江省の一部に限られていた。この点からも見ても中国の大部分の人はしまむらの商品を手に取れる状態ではなかったことが伺える。

しまむらは中国市場参入から5年がたった2017年にようやくアリババが運営するECプラットフォーム「天猫(Tmall)」に旗艦店をオープンした。一方のユニクロはといえば、天猫との提携は早く2009年だ。天猫の前身である「淘宝(タオバオ)商城」で満を持しての開店となった。記者会見場では、ユニクロ創業者の柳井氏、ユニクロの中国エリアCEO潘寧氏、アリババグループの創業者である馬雲氏などそうそうたる顔ぶれがそろった。ここからも柳井氏のオンライン販売への意気込みが感じ取れる。

オンライン店舗がスタートして3カ月たった頃には、ユニクロは当時の淘宝にあるすべての機能や使い方をチェックし、その中から最も良い方法を選びオンラインで展開している。

ユニクロは2015年以降、天猫の「双11・ダブルイレブン(11月11日のショッピングイベント)」アパレル部門で売上高が連続トップである。天猫旗艦店のフォロワーは2272万人に達している。メンズのフェイクレザーコートの1カ月の売上枚数は5万8000着、ユニクロのライブ配信は毎回1万人近くの消費者が視聴しているという。

このほか、ユニクロはオンラインとオフラインとの連携をうまく行っている。ユニクロの天猫旗艦店では4年前に店舗受取り、指定住所受取、店舗での商品交換などのサービスをスタートした。しかもその一年は、馬雲氏がニューリテールの概念を提示したばかりの時期でもあった。ユニクロはどこよりも先にニューリテールを実践し、幸先のよいスタートを切った。

この2社の差は一日や二日でできたものではない。「たられば」となってしまうが、しまむらが中国市場に専念していたら、結果は違うものとなっていたのではないだろうか。

作者:天下網商(WeChat ID:txws_txws)、章航英

(翻訳:lumu)

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