アリババ傘下格安EC「淘宝特価版」、年間ユーザーが1億人超え 地方市場への参入を急ぐ

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11月11日、アリババ副総裁で傘下のECモール「淘宝(タオバオ)」のC2M事業部総経理を務める汪海氏は「淘宝特価版」アプリのユーザー数を初めて公開した。9月末時点で月間アクティブユーザー(MAU)は延べ7000万人、年間アクティブユーザーは延べ1億人を超えているという。

淘宝特価版アプリを開くと、明らかに通常版とは違うことに気づく。

通常版の淘宝アプリが、ビッグデータを活用してユーザー好みの商品を的確にリコメンドし、「あなたが好きな商品はすべて取りそろえている」といったイメージだとすれば、この淘宝特価版は「安い商品を何でも取りそろえている」というスタンスだ。淘宝特価版アプリには「1元(約16円)コーナー」、「送料込み5.9元(約95円)コーナー」、「毎日ポイント獲得コーナー」などが設けてある。「節約すべきは節約し、使うべきは使う。節約したお金で特売品を」をスローガンに掲げている。

2020年のアリババECプラットフォーム「天猫」のビッグセール「双11ダブルイレブンショッピングフェスティバル」で、汪海氏は淘宝特価版のビジネスモデルに話が及んだとき、このアプリは可処分所得が1000元(約1万6000円)以下の人でも安く商品が買えるようなアプリだと語った。

業界が最も注目しているのはこのアプリの定着率だ。汪海氏は、一級都市市場の「ネット弁慶」が書き込んでいる「多くのユーザーが淘宝特価版の新規DLボーナスを利用したあとはアンインストールしている」との口コミと、地方・農村市場のユーザーの実状とは完全に一致するものではないとの見解を示した。

淘宝特価版ユーザーの急増がその証拠だという。

中国のリサーチ会社Trustdataによると、今年に入って、地方・農村市場で純増した特価好みのユーザーの30.9%が淘宝特価版に流れている。市場調査研究機関QuestMobileが公表した「中国モバイルインターネット2020年上半期報告」によると、「実力がある中国モバイルインターネットアプリの増加率ランキング」で淘宝の特価版がみごとにトップ3にランクインした。MAUは前年同期比で50倍以上の伸びとなり、圧倒的な強みを見せつけた。

淘宝特価版はさらにC2M(Customer-to-Manufactory、「消費者から製造者へ」の略)モデルの潜在力も見せつけた。メーカーサイドでは、アリババ傘下の国内卸売プラットフォームである「1688」と連携することで、メーカーはユーザーニーズをじかに目にすることができるようになり、調査コストを削減し、不必要な投入による損失を抑えることができる。消費者サイドからすれば、淘宝特価版はユーザーの個別のニーズを掘り起こすと同時に、商品流通の各段階を省略することで、ユーザーのシビアな消費需要に応えることができる。

「低価格商品の共同購入」でスタートしたソーシャルEC大手の「拼多多(Pinduoduo)」は、アリババ、中国EC大手の「京東集団(JD.com)」の低価格商品の売手側が新たなアクセス数増加を求める時代の波に乗り、C2Mモデルを生かして急成長した最初のプラットフォームとなった。大手資産運用会社ゴールドマンサックスは、拼多多の今年第3四半期の流通取引総額(GMV)を前年同期比69%増の4210億元(約6兆6600億円)と予測し、市場予測を12%上回るとの見方を示した。また、MAUは第3四半期に7億1800万人まで増加し、初めて7億の大台に乗り、アリババとの差をさらに縮めるとみている。

驚くような急成長を見せる淘宝特価版アプリのリリースにより、アリババと拼多多の地方市場の争奪戦に火がついた。今後は郊外の消費者層を取り込めるかが鍵となる。拼多多を抑え込むことができるかどうかは、アリババの競争力に直接影響してくることになるだろう。
(翻訳:lumu)

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