バーチャルアイドルの人気高まる 中国企業がセンサー着用なしのモーションキャプチャ技術を開発

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バーチャルアイドルの人気高まる 中国企業がセンサー着用なしのモーションキャプチャ技術を開発

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バーチャルアイドルの人気が高まるなか、センサーなしのモーションキャプチャ技術を開発する「雲舶科技(YunBo)」に注目が集まっている。同社のモーションキャプチャ技術は、センサーを身に着けなくても、普通のカメラで撮影した映像をAIが分析し、人体の動きを正確に捉え、関節や指の動き、表情まで再現できるものだ。この技術は同社が独自開発したものであり、すでに特許を取得済みだ。

雲舶科技の3つの事業

雲舶科技は2017年から、CG制作者の作業負担軽減のために、モーションキャプチャ技術の開発を行っている。その技術を使った「小K網」というプラットフォームが2019年末にローンチされた。プラットフォームに30秒以内の動画をアップロードすれば、約5分でその動きを解析したデータが出力される。CG制作者は、そのデータを使って簡単に3D動画を制作することができる。このプラットフォームの登録ユーザーは約1万人であり、現時点では無料で利用できるようになっている。雲舶科技は公式SNSを通してユーザーのフィードバックを収集し、プラットフォームの改善を続けている。

小K網のスクリーンショット

雲舶科技は一般ユーザー向けの動画制作ツールも提供している。これは現時点での同社の収益の柱となる事業でもある。ユーザーが自分で撮影した動画をアップロードすれば、既存の3Dキャラがそのとおりに動くというものだ。雲舶科技はテンセントなど人気ゲームを手掛ける企業と提携し、ゲームキャラを使って自由に動画を作ってもらおうと、プレイヤー向けにこのサービスを提供している。

もう一つの収益化事業は、同社が開発したオリジナルのバーチャルアイドルである。これは、今年ローンチされた「小K娯楽平台(「エンタメプラットフォーム」の意)」で利用することができるものだ。ユーザーは自宅のウェブカメラに向かって動くだけで、バーチャルアイドルがリアルタイムで同じ動きをする。これを使えば、バーチャルアイドルによるライブ配信が誰にでもできるようになる。

バーチャルアイドルを使用したライブ配信の様子

今後、雲舶科技はより多くのバーチャルアイドルを開発し、それらを「小K社」としてライブ配信プラットフォームにまとめて提供するとしている。ユーザーの反響によって重点的に育成するバーチャルアイドルを選定し、ライブ配信やライブコマースイベントを行う予定だ。

バーチャルアイドルをより安く

バーチャルアイドルは見た目がよく、視聴者とより自由なコミュニケーションができるため、今やサブカルの枠を越えつつある。テンセント、バイトダンス、動画プラットフォーム「愛奇芸(iQiyi)」などが独自のバーチャルアイドルの開発を始めている。

しかし、バーチャルアイドルはコストが高いのがネックだ。従来の手法で制作すると、人間のアイドルよりはるかにコストが高くなる。一曲レコーディングし、ミュージックビデオを制作するのに100万元(約1500万円)かかり、12曲のコンサートを開催すると約2000万元(約3億円)かかるという。そのため、バーチャルアイドルで収益を上げるには、長期間の運営が必要となるが、ファンを飽きさせないために新しいコンテンツを発表し続ければ、さらにコストが増えてしまう。しかし、そうしなければ、ファンが流失してしまうのである。

雲舶科技の技術は、まさにコストという最大の課題を解決するものである。コストが下がれば、より頻繁に配信を行うことができ、ファンをつなぎとめることができる。同社は、今後のバーチャルアイドルは3D制作のコストが限りなくゼロに近い水準になり、デザインとコンテンツ制作のコストしかかからなくなると見ている。

雲舶科技の梅嵩CEOは、モーションキャプチャ技術を使ったバーチャルアイドルが今後さらに増えると見ており、それに合わせて、雲舶科技は技術開発だけでなく、アイドル産業関連の他の企業と提携することで、コンテンツプロバイダーに転身していきたいと語っている。(翻訳:小六)


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