視覚障害者もスマホで気軽に出前の注文できるか 大手フードデリバリーアプリで検証

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1年前、筆者は視覚障害者がフードデリバリーアプリで出前を注文できるかどうかを調べようと、目を閉じていくつかのアプリを使ってみたが、どれも使い心地が悪かった。今年3月、中国は「情報バリアフリー」に関する国家規格を制定し、各企業に障害者向けサービスの改善を要請した。そこで、昨年と比べ変化があったのかを確かめるため、再度検証を試みた。

注文はスムーズ

視覚障害者にとって、出前を注文することは想像以上に難しい。彼らは画面読み上げ機能を使って注文することになるが、そのためには各タブ、リンクに画面読み上げ機能が読み取るためのタグが必要となる。しかし、昨年の体験では、アプリを開いた際に飛び出るクーポン画面にタグがなかったため、それを閉じることができず、注文に進めなかったことがあった。

アプリを開いた際に飛び出るクーポン

また、店舗ページに入れたとしても、食べたいものを探すための検索タブの位置にタグがなければ、おすすめのメニューしか選ぶことができないことになる。

幸い、この点では改善が見られた。アリババ傘下の「餓了麼(ele.me)」では、クーポンにもタグが追加され、クーポンの詳細や「画面を閉じる」ボタンの位置を音声で聞けるようになった。

とはいえ、アプリのすべての情報にタグがつけられたわけではない。そこで、スマートフォン本体の障害者向け機能の出番だ。アップルがiOS 14から搭載した「VoiceOver」機能は、画面上のすべての画像や文字を識別し、その内容を読み上げることができる。やや不正確なときもあるが、アプリの不足を補うには十分だ。

iOS 14が読み取ったテキストと画像の情報。画像の読み取りはまだ中国語出力に対応していない

餓了麼のUI(ユーザーインターフェース)も大きく改善された。昨年のものはやや雑然としており、さらに絶えず動くスライドバナーが画面読み上げを難しくしていた。しかし今年の仕様ではスライドバナーがなくなり、タブやボタンの位置がわかりやすくなった。検索タブにもタグが追加され、簡単に見つけられるようになった。同様に、メニュー情報や「カートに追加」ボタンも画面読み上げに対応するようになった。

去年と今年の餓了麼のトップページの比較

生活関連サービス大手の「美団(MEITUAN)」のアプリでも同様の改善が見られた。さらに美団は、メニュー画面で口コミ点数、口コミの内容の読み上げにも対応している。

さらなる改善が必要

餓了麼と美団は確かに進歩しているが、まだまだ完璧というには程遠い。

美団では、トップページ以外の画面で、必要な機能にタグが付けられているものの、うまく認識できないことがある。例えば、検索欄の位置や、決済直前の「前に戻る」ボタンに、上述の問題が見られる。餓了麼も、美団と同様にタグの識別がうまくできないことがある。おそらく新機種のサポートの問題だろう。

美団はまた、昨年からすべて音声だけで注文できる機能を提供しているが、この機能では店舗のおすすめメニューしか注文できず、しかも情報の更新が遅い。なかには昨年と比べ全く更新されていないものもあった。

タイムセールなどのイベントにおいては、両者ともタグ付けが追いついていない。したがって、視覚障害者はこれらのイベントにアクセスすることができない。

今回の体験ではiPhoneとファーウェイのスマートフォンを使ったが、アップルのバリアフリー機能は大変良く出来ている。しかし、UIはやや使いづらく、画面読み上げ機能を立ち上げた際のページめくりに特に問題があった。筆者はこの点ではファーウェイの方が操作しやすいと感じた。しかし、ファーウェイの場合は、基本となる画像認識が未整備であり、サードパーティの画像認識アプリを入れることが必要だ。

中国では過去10年間において、IT技術が大きく進歩したが、どの技術も視覚を中心にデザインされているため、一部の人々を結果的に排除してしまっていることは否めない。幸い、今回の体験では、確かな改善が見られた。それに伴い、障害者向けの掲示板では、デリバリープラットフォームのどの会員プランが得か、どのメニューがいいかについての書き込みが増えてきた。これからも、すべての人が使いやすいような技術を、引き続き開発してほしいものである。

原作者:「雷科技」(Wechat ID:leitech)

(翻訳:小六)

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