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12月16日、中国の洗濯洗剤・トイレタリー用品大手「藍月亮(Blue Moon)」が香港証券取引所に上場した。
発行価格は一株13.16香港ドル(約170円)で、7.47億株を発行し、95.8億香港ドル(約1200億円)を調達予定だ。株価は上場初日15%高騰し、現在の時価総額は870億香港ドル(約1兆1000億円)となっている。
調達した資金の使途は、52.4%がマーケティング、35.6%が事業拡大、10%が一般業務、2%が開発費だ。
同社CEOの羅秋平氏と董事会会長の潘東氏は夫婦であり、IPO前まで、2人で計88.92%の株式を保有していた。その次に「高瓴資本(Hillhouse Capital)」が持株比率10%で続く。
藍月亮は1992年創業で、家庭用洗剤を中心に商品を展開。現在計73の商品がある。創業当時の同社はハンドソープで人気を博していたが、粉末洗剤、洗濯石鹸などの家庭用洗剤はP&G、ユニリーバら海外大手の独壇場だった。2008年に、高瓴資本の創業者張磊氏の説得によって、藍月亮は同社初の液体洗剤を発売。当時の液体洗剤のシェアは衣料用洗剤の5%未満で、藍月亮も一時は赤字に転落したが、その後液体洗剤市場は急成長し、2014年には、同社は以前の10倍以上の利益を挙げるようになっていた。
コンサルティングファームの「フロスト&サリバン」によると、藍月亮は2009〜2019年の間、11年連続で中国市場の液体洗剤シェア1位に君臨し、ハンドソープは2012〜2019年まで8年連続でシェア1位となっている。
同社の好調さは目論見書のデータからも見て取れる。2017〜2019年の同社の売上高は56.3億香港ドル(約730億円)から70.5億香港ドル(約920億円)に伸び、成長率は11.9%だった。2019年時点での売上に占める衣料用洗剤の比率は87.6%で、粗利率は63%以上だ。2020年上半期は、新型コロナ禍で売上高が前年比で10%下がったが、純利益は前年比38.53%増の3.02億香港ドル(約40億円)だった。
藍月亮のオンライン・オフライン同時展開戦略も、同業界の手本となるほど順調に進んでいる。同社は2012年からアリババ傘下のECプラットフォーム「天猫(Tmall)」にフラッグシップストアを開設し、その後「京東(JD.com)」とも提携。2019年の売上高のうち、オンラインが47.1%を占める。液体洗剤のオンライン市場シェアでは、同社が33.6%を占め、第2位の14.8%に2倍以上の差を付けている。
オフラインでは、全国の1403ものディストリビューターとの契約によって、大型スーパーから農村部の個人商店まで、どこでも藍月亮の商品を買うことができるようになっている。
以上のように順調な藍月亮だが、液体洗剤市場には強力なライバルがいる。フロスト&サリバンによると、2019年の液体洗剤中国市場シェア第2位は「納愛斯(Nice Group)」で、藍月亮との差はわずか0.9ポイントだ。
同社自身の課題もある。P&G、ユニリーバなど海外大手が複数ブランドを抱えるのに対し、藍月亮は一貫して企業名と同じ「藍月亮」ブランドしか使用していない。そのため、ほかの種類の商品への展開力が弱いのだ。また、現在の市場ではジェルボール型洗剤が人気だが、藍月亮はこの市場で出遅れている。さらに、同社が推し進めてきた濃縮型洗剤の売れ行きは芳しくない。おそらく藍月亮は、上場をきっかけに、大きな戦略転換を果たすつもりだろう。
(翻訳:小六)
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