新型コロナで急成長のオンライン医療、業界先駆者「微医(WeDoctor)」が目指す変革とは

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36Krは12月8日~10日にかけて北京でテックカンファレンス「WISE2020 新経済之王」を主催した。今年設立10周年を迎えた36Krが主催するWISEは、ニューエコノミー領域のカンファレンスとして今回で8回目の開催となる。医療スタートアップが集う分科会では「今後10年の医療;蓄積と進化」をテーマに医療業界のリーダー、著名な臨床研究者、医療テックの関係者、企業家を招き、医療・ヘルスケア分野の次の10年について意見交換を行った。

今年の新型コロナウイルスの流行によって、オンライン医療は急速に発展した。「微医(WeDoctor)」が設立したオンライン病院は、リモート診療など一連の医療サービスの先駆けとなり、コロナ禍で医療システムをさまざまな面でサポートした。微医のオンライン病院の範吉平院長が「デジタル化医療による新型コロナ感染防止への取り組みとデジタル化がけん引する産業変革」というテーマで講演を行った。

微医オンライン病院の範吉平院長

以下は範院長の講演内容の抄訳。

 2020年は尋常ではない1年だった。新型コロナの流行により全世界で6778万人の感染者が確認され、155万人が死亡した。今後1~2年は新型コロナと共存せざるを得ないだろう。

 新型コロナの感染拡大に対して、微医グループは武漢市封鎖のわずか2時間後にリアルタイム型の支援プラットフォームを立ち上げ、中国全土のユーザーに無料でオンライン相談サービスを提供した。12月9日までにオンラインでのボランティア診療に参加した医師は7万5403人、サービス提供人数は累計226万人、プラットフォームのアクセス数は1億6900万件に達し、ピーク時には1日28万人がこのサービスを利用した。

 そのほかに新型コロナに起因する人々のメンタルヘルスの不調に注目し、心理カウンセリングも提供した。またユーザーがより正しく新型コロナを知り、予防できるように、英語・中国語併記の「新型コロナウイルス予防マニュアル」を制作し、このマニュアルのダウンロード数は80万回に達している。

 「デジタル移動病院」を各地に展開してオンラインでスクリーニング検査を行い、特に貧困地域における感染予防に貢献した。さらに73万件の医療用物資を湖北省の武漢や黄岡へ配送した。天津、黒竜江、寧夏などの地方政府は、微医の効率的な組織リソースと高水準の専門サービスを知り、地元の医師に対して微医のプラットフォームでオンライン相談などのサービスを提供するよう自発的に呼びかけた。

 コロナ禍においても、慢性疾患を持つ患者は継続して診察を受け、薬を購入する必要がある。微医は武漢や天津などで一般的な慢性疾患を持つ患者に対して、オンライン再診と薬の配送サービスを提供した。新型コロナのピーク時には微医のオンライン病院が武漢の慢性疾患患者の再診の97%を受け持った。

 3月に入って中国国内の感染は収束に向かい、海外での感染が急拡大した。微医のスタッフに休む暇はなく、戦いの場は国内から海外へと移った。3月14日に新型コロナ対策のグローバルプラットフォームをリリースし、中国外交部および176の在外公館の推薦を受けた。微医は国内の医療専門家チームを組織し、イタリア、北米、ドイツ、タイ、インド、アフリカなどの医療関係者に対してオンラインで感染防止策や治療経験を共有し、20を超える国と地域から1万人余りが視聴した。

 中国の人口は14億人で、高齢化は非常に深刻な問題だ。60歳以上の高齢者人口は2億6000万人以上で、医療業界にとって大きな負担となっている。高齢者には慢性疾患を抱える人が多く医療費がかかるため、多くの地方において医療保険の財政基盤を圧迫しており、医療保険が破綻するリスクを抱えているところもある。

 中国国内には多くの大病院があるが、健康管理に対する責任感は十分とは言えない。微医は創業以来、一貫してデータに基づき、一般市民のニーズに応えて高品質な医療サービスを提供してきた。

 現在、微医のオンライン病院は、中国各地で30カ所のオンライン対応可能な病院を運営し、そのうち18カ所は行政から認可を受けた医療保険定点となっている。さらに7600カ所以上の病院、22カ所の慢性疾患サポートセンター、2万6000カ所の末端医療機関と提携し、25万人を超える医師がオンライン対応を行い、2億1000万人を超える登録ユーザーに対して医療・ヘルスケアサービスを提供している。

 新型コロナ発生後、オンライン医療を推進する政策が打ち出され、オンライン病院が発展する良機となった。アリババの創業者である馬雲(ジャック・マー)氏はデジタル化による伝統産業の変革について語ったが、今後10年はそれが最も顕著になるだろう。医療衛生業界は保守的な業界で、本来なら20〜30年かかったであろう変革が、新型コロナの影響によって今後10年のうちに成し遂げられるだろう。現在、インターネットに親しんでいる人は50歳以下が中心で、今後10年の間にこれらの人たちが年を重ね慢性疾患を抱えるようになった時、インターネットと医療・ヘルスケアの結びつきは巨大な潜在市場となる。

データによると、2018年の全国医療保険基金の総支出は1兆7800億元(約28兆1000億円)。医療保険による支出が医療支出の70%を占めると仮定すると、医療支出の総額は2兆5400億元(約40兆1000億円)と推定される。主流オンライン医療プラットフォームの売上高は現時点で合計20億元(約320億円)あまり、オンライン医薬品販売は700〜800億元(約1兆1000億〜1兆3000億円)で、両方を併せても医療市場全体に占めるオンライン医療の割合は5%未満だ。この割合は将来的には20%を超えると予測され、多くの人がオンライン医療、デジタル医療の発展の見通しは明るいと信じている。

 ヘルスケアのデジタル化は産業インターネット分野の中でも将来性が高い分野で、微医は同分野の変革の牽引者となる。治療から予防中心の医療へ転換し、一般市民向けの健康維持システムを構築し、中国のヘルスケア産業のデジタル化に革新的な発展をもたらしていきたいと考えている。

(翻訳・普洱)

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