「小さく美しく」で急成長の中華スマホ「OnePlus」 創業8年目の飛躍はあるか

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

「小さく美しく」で急成長の中華スマホ「OnePlus」 創業8年目の飛躍はあるか

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国スマートフォン大手のOPPO傘下の高級ブランド「OnePlus(一加)」は2020年12月17日、創業7周年を迎えた。劉作虎CEOは、同日発出した社内向け文書「Seven years,One Mission:Charging Ahead in2021」で、2020年のOnePlusは安定を保ちながら変革を求めたが、今後は同社のモットー「小さく美しく」にとどまることなく、より大きく広がる未来を目指してまい進しなければならないと檄を飛ばした。

期待されるさらなる成長

OnePlusは2020年、感染症の流行にも関わらず目覚ましい業績を上げた。中国国内市場ではハイスペックスマホ「OnePlus 8」シリーズが引き続き大好評で、オンラインでの販売台数や売上高で幾度もトップに輝いた。オフラインでも31省240都市に販路を広げ、提携販売店の増加率は316%に上った。

同社の海外での業績も目を見張るものがあった。欧州ではミドルレンジスマホ「OnePlus Nord」が大きな成功を収め、OnePlus全体の販売台数は当初の目標を大幅に超え、利益は昨年の2倍となった。北米市場では昨年第1四半期、情勢に反して成長した唯一のスマホブランドとなり、ハイスペックスマホのシェアでベスト3に食い込んだ。

OnePlusは、昨年の目覚ましい業績に加え、劉CEOの発言権がOPPOグループ内で高まったことで自信をつけた。OPPOによる傘下ブランドの再編に伴い、劉CEOはOPPOとOnePlusの持株会社「Guangdong Oujia Holdings (広東欧加控股)」の高級副総裁に就任している。同社の組織構造から見ると、劉CEOはOPPOのスマホに関する製品計画全体を左右する立場にある。「realme」が独立運営される可能性も高いが、OnePlusとOPPOの運営には劉CEOが大きく関与することになる。

劉CEOの高級副総裁就任がOnePlusにとって有利になることは明白だ。まず、OPPOのオフラインチャネルとアフターサービスを利用できるようになったことで、オフラインの事業進行が加速する。次に、OPPOの研究・開発プラットフォームを利用して、技術面でより先進的な製品を生み出せる。さらに、OPPOとの協同により潜在顧客を共有できるようになる。

しかもOPPOのリソースが加われば、OnePlusはこれまで以上に積極的な事業展開が可能になる。OnePlusのIoT設備とパッケージ製品への評価は低くはないが、ブランドとしての影響力はまだまだ小さい。OPPOの後ろ盾を得てオフラインチャネルを拡充できれば、ブランドの知名度も上がるはずだ。

このようにOnePlusの事業は現在のところ順風満帆に見えるが、将来的には失速の可能性も小さくない。

成長失速のリスク払拭を目指す

OnePlusはデバイス事業の順調さに自信を見せているが、ソフトウエア関係への注力が小さい点は否めない。

例えば、アンドロイドベースのOS「Hydrogen OS」はアップデートのペースが遅く、ようやく最新バージョン「Hydrogen OS 11」にAOD(Always On Display)機能が搭載されたばかりで、OPPOのスマホに搭載される「ColorOS」に比べれば格段に機能が劣る。かつてはハイスペックさを評価された「OnePlus 7 Pro」は、そのシステムの貧弱さによって中国のデジタル機器愛好家のOnePlusに対する印象を押し下げることになった。

ソフトウエアに関する怠慢はシステムそのものだけでなく、ユーザーの意見に対する消極的な反応にも現れている。劉CEOは将来的にエコシステムを強化すると表明しているが、これまで7年の長きにわたり未解決だった問題が解消されるかは見守っていくべきだろう。

海外市場における同社の地位にも、以前のような盤石さはない。ファーウェイは一時撤退を余儀なくされたが、OPPOとvivoは海外向け製品への投資を強化し、シャオミ(小米)はミドルレンジ機種ブームに乗って欧州市場でシェア第3位となっている。インドではrealmeが低価格戦略で快進撃を続ける。その一方で、OnePlusのハイエンド機種はシェアが落ち込んでいる。

以上のようなミドルレンジまたはローエンド機種を打ち出すブランドがOnePlusの脅威となっているのは、価格面だけではなくその背後にあるエコシステムに優位性があるからだ。これがOnePlusがテレビなどのIoT製品を急いで打ち出し、ミッドレンジスマホ「OnePlus Nord」を発売する要因となった。OnePlusはしばらくの間、エコシステム上の不備をコストパフォーマンスで補うしかない。そのためにブランドのトーナリティが崩れるのを厭ってはいられない。

スマホ業界が「デバイス時代」から「エコシステム時代」へと急変する中、OnePlusも「小さく美しく」というモットーにとらわれることをやめれば、新たな時代に乗り遅れずにすむだろう。

作者:雷科技(WeChat ID:leitech)

(翻訳・田村広子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

UNLEASH TOKYO

36Krは東京都の魅力を海外に発信する注目イベント「UNLEASH TOKYO」に協力しています。 3月9日(火)-11日(木)の3日間、様々なゲストを交えて14時から開催します。 36Kr CEOも登壇するのでぜひご覧ください!

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録