ラストワンマイル物流の「貨拉拉(Lalamove)」が約530億円調達、業界のデジタル化けん引に期待

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ラストワンマイル物流の「貨拉拉 (Lalamove)」が約530億円調達、業界のデジタル化けん引に期待

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ラストワンマイル物流の「貨拉拉(Lalamove)」がこのほど、シリーズEで5億1500万ドル(約530億円)を調達したと明らかにした。リード・インベスターは「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)」。コ・インベスターは既存株主の「高瓴資本(Hillhouse Capital)」や「 順為資本(Shunwei Capital)」など。資金はこれまで同様、四~五級都市など地方市場での事業拡大や事業構成の多様化、物流のデジタル化に充てられる。

今回の出資者のうち、順為資本はシリーズCで、高瓴資本はシリーズD1で、セコイア・キャピタル・チャイナはシリーズD2でリードインベスターを務めている。なお、これまでに貨拉拉は7回の資金調達を実施している。

貨拉拉は2013年に設立され、O2O物流業界の激しい競争の中で頭角を現した企業だ。シェアリングモデルを基盤とする物流プラットフォームを構築し、個人、事業者、企業のいずれにとっても効率の良い物流ソリューションを提供している。

設立当初は都市内物流に特化したプラットフォームだったが、現在は都市内物流から都市間物流、企業向け物流サービス、引っ越し、小口物流、レンタカー、自動車アフターサービスまでを網羅し、インターネットを活用した物流の総合企業に成長している。貨拉拉によると、昨年11月時点で事業範囲は中国本土の352都市に広がり、1カ月当たりの稼働ドライバーは48万人、ユーザーは720万人に上る。

昨年の新型コロナウイルス流行は物流業界に大打撃を与えた。貨拉拉の受注件数も昨年年初には一時93%減少するほどだったが、流行が収束に向かうにつれて急速に回復し、昨年9月に開催した秋の物流キャンペーン「金秋拉貨節」での受注件数は前年開催時に比べ82%増加した。

同社によると、同社は2018年に大・中規模都市である一~三級都市での事業展開を基本的に完了し、翌19年に地方の小都市である四~五級都市へと事業範囲を拡大していった。昨年9月の金秋拉貨節には総額1億元(約16億円)を投じ、ユーザーへの優待券配布やドライバーへの報奨金支給などを実施した。キャンペーンへの参加者数は350万人を突破し、受注件数は1日当たりでも1カ月当たりでも過去最高を記録した。今年1月の新春キャンペーン「新春拉貨節」でも同様の施策を打ち出し、春節(旧正月)前の物流増に備えた。

貨拉拉は「テクノロジーが物流を変える」ことを確信し、技術投資を続けてきた。スマート意思決定システム「智慧大脳」を自社開発し、膨大な受注量をさばくためのリソース配置を最適化した。昨年は貨物のサイズを自動計測できる「AR識貨」や輸送車両内の様子や貨物に関するデータを同社のIoTプラットフォームへリアルタイムで伝送する「安心拉」をAR(拡張現実)技術とディープラーニング技術に基づいて開発し、正式に発表している。創業者の周勝馥CEOは、物流業界における技術改良はヒト・クルマ・モノ・道のデジタル化とスマート化の水準向上に直結するとし、業界は今後もこれら四つの面への取り組みを継続するだろうとの認識を示した。

セコイア・キャピタル・チャイナのグローバル部門を率いる沈南鵬(Neil Shen)マネージングパートナーは今回の出資にあたり、貨拉拉を評して「モバイルインターネットの全面的な普及および人工知能(AI)やビッグデータ、クラウドサービスの急速な発展は、物流のデジタル化とスマート化の進行を加速させ、業界全体の変革を深いレベルまで推し進めた。貨拉拉がイノベーションと緻密な運営を通じ、分散していた輸送力をデジタル化によって統合し、同社のコアコンピタンスを構築すると同時に、物流業界における新技術の活用と効率向上の良き見本に成長したことを喜ばしく感じている」と語っている。

(翻訳・田村広子)


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