2020年中国の投資・資金調達件数は5400件 アーリーステージ案件が大幅減

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36Krの調べによると、2020年の投資・資金調達件数は前年同期比7.3%減の5364件となり、減少基調が続いており、14年のレベルまで落ち込んでいることが分かった。投資・資金調達の総額は同41.7%増の1兆2128億元(約19兆3800億円)となった。1日平均15件の取引が行われ、取引規模は33億元(約530億円)だった。優良企業はより多くの資金を調達しており、1回あたりの取引額は同52.9%増の平均2億2600万元(約36億円)に達しており、過去最高を更新した。

アーリーステージの案件数、金額とも大幅に減少した。シードおよびエンジェルラウンドでの資金調達は昨年比420件減の970件、金額にして69億元(約1100億円)減の162億元(約2600億円)となった。シリーズAは同469件減の904件、136億元(約2200億円)減の776億元(約1兆2500億円)。シリーズBは同10億元(約160億円)減の823億元(約1兆3000億円)となった。レイターステージでは微増に転じ、シリーズCが189億元(約3000億円)増、シリーズD以降が272億元(約4350億円)増となった。その他の資金調達も3328億元(約5兆3300億円)の大幅増加となった。

企業サービスと医療・ヘルスケアが最大規模の取引ポイントとなった。20年の企業サービス分野での資金調達案件は前年比4.1%減の1361件となった。医療・ヘルスケア分野は同20.4%増の1211件だった。特記すべきは、光工学分野の取引件数が同21.7%増となったことだ。一方、取引件数が大幅減となったのが金融(28.9%減)、教育(23.2%減)、人工知能(AI)(17.9%減)だった。

投資家がイグジットで得た利益総額は1兆2959億元(約20兆7600億円)となり、ここ十年で最高となった。IPOによる利益は前年同期比で3倍強の約7915億元(約12兆6800億円)だった。件数別では、A株、香港株、中国概念株(海外で上場した中国企業)のIPOが大幅増で602件に達し、17年の645件についで2位となった。合併・買収(M&A)による利益は同9.3%減の5043億元(約8兆円)だった。件数別では、18年の1021件についで2位となった。M&Aもイグジットの重要手段となりつつある。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が1月4日に発表したリポートによると、20年のA株のIPO件数と資金調達額はいずれも前年を大きく上回り、新株上場のみで同97%増の395件に達し、調達額は同86%増の4719億元(約7兆5600億円)、2011年以来のIPO資金調達額の過去最高となった。登録登記制度の実施を受け、上海証券取引所のハイテクスタートアップ向け証券市場「科創板(スターマーケット)」の20年のIPO件数は145件、深圳証券取引所の新興企業向け市場「創業板(ChiNext)」のIPO件数は107件、いずれも上海メインボードのIPO件数89件を上回った。科創板の資金調達額は2226億元(約3兆5600億円)にも達した一方、メインボード、創業板、中小企業板(SME)の資金調達金額の総額は2493億元(約4兆円)だった。IPOの資金調達前のトップ10企業のうち7社が科創板だった。この他、香港株のIPO件数は195件、中国概念株のIPO件数は43件となった。

(翻訳:lumu)

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