DiDi傘下の物流企業が巨額の資金調達を予定 サービスの品質向上が課題

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1月13日の情報によると、中国ライドシェア最大手の「滴滴(DiDi)」傘下の物流企業「滴滴貨運」が、当初の予定よりも多い金額の資金調達を行う可能性があることがわかった。

滴滴貨運は昨年12月に最大4億ドル(約400億円)相当の株式を発行することを予定していたが、7倍もの応募超過があったため、今月中に調達額の増額を行う方向で検討している。調達した資金は、中国の各都市での事業拡大に充てられる。同社が手掛けているのは、都市部での配達を中心とする「シティ・ロジスティクス」だ。この市場は競争が激化しており、資金調達が多数行われている。

滴滴貨運以外の大手の動きを見てみよう。トラック配車最大手「満幇集団(Full Truck Alliance Group)」は、2020年11月24日に17億ドル(約1800億円)の資金調達を行ったと発表した。同社は業界1位の「運滿滿」と2位の「貨車幫」が合併した企業で、前身の2社の資金調達額を合算すると、これまで40億ドル(約4000億円)近く調達したことになる。

2020年12月には、2013年創業の「貨拉拉(Lalamove)」がシリーズEで5.15億ドル(約540億円)を調達したことを発表。また「58速運」は、2018年7月に2.5億ドル(約260億円)を調達したのに合わせて、中国国内事業を「快狗打車(KuaiGou DaChe)」に改称した。中国のシティ・ロジスティクス市場では、上記3社が競い合う構図だ。

コンサルティング企業の「艾瑞諮詢(iResearch Consulting Group)」が発表した「2019年中国シティ・ロジスティクス研究報告」によると、中国の物流市場は2013年に10兆元(約140兆円)の大台を突破し、その後も成長を続けている。シティ・ロジスティクスに関しては、個人向け事業は規模が小さく、急成長は望めないが、ECの成長によって急増した商品配達業務は急拡大している。現在のシティ・ロジスティクスでは90%以上をこうした商品配達が占めている。

滴滴貨運のサービス開始初日の様子

この巨大市場にDiDiが参入したのは昨年5月で、6月に滴滴貨運のサービスが成都と杭州で始まった。同社は現在江蘇省、浙江省、上海市の都市部、そして成都市、重慶市で事業を展開している。上海ではサービス開始から1カ月で1日の荷物取り扱い件数が2.5万を超え、今も増加を続けている。

シェアを拡大したい滴滴貨運は、昨年9月に得意の補助金戦略を打ち出し、利用者と運転手への補助金として1億元(約14億円)提供し、秋の物流繁忙期に備えた。そのかいあって、9月中旬から滴滴貨運の全国での1日の取り扱い件数は10万を超えた。今回巨額の資金調達によって、滴滴貨運はより強気にシェア拡大路線を突き進むだろう。

しかし、シティ・ロジスティクス市場は、急成長する一方で歪みがすでに顕著になっている。1兆元(約14兆円)規模の市場にもかかわらず、未だどの企業もブランドの認知度が高いとは言えない。また、サービスの質を謳いながら、実際は苦情が多発しており、評判の高い企業は皆無だ。にもかかわらず、どの企業も資金調達をスムーズに進めることができている。こうした現状は、中国のシティ・ロジスティクスがまだ未成熟であることの反映だと言える。

EC専門のメディア「億邦動力網(ebrun.com)」の論評が指摘したように、シティ・ロジスティクスは資金力だけで勝てるような市場ではない。プラットフォームとして成功するためには、技術革新とサービスの標準化こそが長期的な課題である。それを解決できなければ、単なる大規模なベンダーにしかなれないのである。

(翻訳・小六)

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