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1月19日、中国自動車大手「吉利汽車(Geely Automobile)」とIT大手テンセント(騰訊)が戦略的提携を締結したことがわかった。両社はスマートコックピットや自動運転、マーケティングを始めとする事業のデジタル化及び低炭素化の推進などにおいて全面的に提携していく。
今回の提携では両社の巨大なエコシステムを融合させ、車載コンテンツとサービスエコシステムを構築し、あらゆる場面でユーザー目線に立った体験を提供することを目指すという。
テンセントは吉利汽車のユーザーライフサイクル全段階におけるデジタル化アップグレードをサポートする。具体的には製品の開発・製造・マーケティング・利用からユーザー管理、アフターサービスなど全産業チェーンにおけるデジタル化クローズドループを構築していく。
同時に、両社は自動車産業チェーンにおける低炭素化も推進していく。テクノロジーや科学的管理法を通し、共に「カーボンニュートラル」を実現するオープンプラットフォームを構築するという。
両社はVR(仮想現実)を利用した自動運転とクラウドプラットフォームの分野でも提携し、自動運転製品の研究開発及び実用検証を加速、関連法規や標準規格の完備も推進していく。
これは吉利汽車とテンセントにとって三度目の提携となる。2018年以来、両社はクラウドコンピューティングやIoT、ビッグデータなどを活用した次世代高速鉄道とコネクテッドカーの分野ですでに二度の提携を結んでいる。現在、テンセントのコネクテッドカーサービスは吉利汽車とその傘下ブランド「領克(Lynk&Co)」の多くの車種に次々と導入されている。
中国自動車メーカー最大手として、吉利汽車は4年連続で国産乗用車販売台数1位に輝いているが、EV事業では遅れをとっている。2020年、同社傘下の「Geometry(幾何)A」「Geometry(幾何)C」「帝豪EV」「帝豪GSe」などEV車販売台数は6万8000台で、販売台数全体から見るとわずか5.2%に過ぎない。
長年のライバル「上海汽車集団(SAIC MOTOR)」や「広州汽車集団(GAC Motor)」などがEVの分野では頻繁にアクションをとっていることもふまえると、吉利汽車が弱点とも言える同分野を補強したいと考えるのは明らかだ。
今年に入ってから吉利汽車にはEV関連のニュースが後を絶たない。
1月11日、バイドゥと吉利汽車の親会社「吉利控股集団(Geely Group Holdings)」が自動運転EVの会社を設立すると発表。吉利控股集団は戦略提携パートナーとしてバイドゥの設立する新会社に出資する。
ロイター通信によると、バイドゥは車載ソフトウエアを提供し、製造は吉利傘下の工場で行うという。両社は吉利汽車のEV専用プラットフォーム(浩瀚SEA)を採用して製品開発を行う。
13日、吉利控股と電子機器受託製造大手「フォックスコン(Foxconn Technology Group、富士康科技集団)」が戦略的パートナーシップ協定を締結。合弁会社を設立し、世界の自動車関連企業やモビリティ企業向けに受託製造およびコンサルティングサービスを提供すると発表した。提携範囲は完成車や部品からインテリジェント制御システム、自動車エコシステムまで電気自動車産業チェーンの全プロセスに及ぶ。
このほか、傘下ブランドLynk&Coが浩瀚SEAを採用した高級EVクーペ「ZERO concept」を今年中にも発売予定だという。(翻訳・山口幸子)
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