リリースから22年も「Z世代」に愛され続ける テンセントの巨大SNS「QQ」の戦略とは

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現在中国で1億人以上のアクティブユーザーを持つアプリのうち、テンセントのSNSアプリ「QQ」は最も歴史の長いもので、ローンチからすでに22年が経っている。QQは常に若者をターゲットにしてきたが、いわゆる「Z世代」は、20年前のミレニアル世代ほどQQを選んでくれるのだろうか。これはテンセントにとってだけでなく、中国のインターネットの将来を占う上でも重要な問題である。

そこで、2018年9月30日からQQの運営を担当するようになったテンセント副総裁の梁柱氏にインタビューし、現在のQQの位置づけと今後の展望について聞いた。以下はその概要である。

QQの位置付け

ーー2月10日で22周年を迎えたQQですが、今の基本的な考え方を教えて下さい。

「テンセントはプロダクトを作り出すことが得意な企業だと見なされてきた。確かに、これまではプロダクトデザインにこだわり、ユーザーのニーズにどう応えればよいのかということを重点においていた」

「しかし、この考え方では、ユーザー数を如何に増やすかについての思考が不十分になった。そこで、最近はQQのユーザー数を増やす方法を考え始め、外部とのコラボやオフラインイベントを開催し、大学との連携を強めている」

ーーユーザー数の増加は専門部署が担当しているのでしょうか。

「社内にユーザー数増加戦略担当の専門部署を設置する企業もあるが、私が管轄する『プラットフォーム及びコンテンツ事業群』には多種多様なプロダクトがあり、それぞれのマーケティングの手法やデータの取得方法が異なる。そのため一つの部署で対応するのではなく、すべてのチームにユーザー数担当者を設けている。ただ、共通する技術は共有するようにしている」

デザイナーズトイとQQ

ーーQQはこのほど「QQJOY」というデザイナーズトイイベントを開催しました。今後デザイナーズトイを手掛けていくのでしょうか。

「今のQQにとってデザイナーズトイは独立した事業ではなく、マーケティングとブランディングの手法だ。QQは若者をターゲットにしているため、若者が好むシンボリックなものとしてデザイナーズトイを使用した」

ーーデザイナーズトイの人気は高く、上場企業も誕生しました。QQは今後事業としてこれを展開する予定はあるのでしょうか。

「QQは昨年、ブラインドボックスを2、3種類販売し、価格は59元〜69元(約900円〜1000円)だった。しかし、継続的に展開するとなると、どのようなチャネルを使い、どこにブラインドボックスの販売機を設置するのかといった課題があり、外部パートナーやサプライヤーを探さなければならない」

ーーサプライチェーンの構築ということですね。たしかに、テンセントは製造業における経験があまりありません。

「その通り。そのため、デザイナーズトイを販売するとしても、それ単体での収益を目指すのではなく、QQのブランディングのためにやることになるだろう」

新しいチャンスを待つQQ

ーー近年のQQのアクティブユーザー数は減っていますが、同じくテンセントのSNSであるWeChatのユーザー数は増え続けています。QQの責任者としての見解をお聞かせください。

「世の中にはWeChatでは対応できないコミュニケーションのニーズが必ずある。QQがなければ、テンセントのソーシャル事業は重要な一角を失ってしまう。今大事なのは若者だ。なぜなら、既存の成人はほぼ全員がインターネットを使うようになっており、ユーザーを増やすにはこれからインターネットを使い始める若者を取り込まなければならないからだ」

「そこで、WeChatと比べたQQの独自性は何かを考える必要がある。WeChatは暮らしを支えるものになったが、QQはなによりも楽しいものでなければならない。会員コミュニティ、アバター機能など、より個性的に、個人の趣味を楽しむことができ、若者が使いたくなるものにしていかなければならない」

「目下はQQのユーザー数を安定させることに主眼を置き、数年後に中国が一人っ子政策を撤廃した効果が出たとき、ユーザー数が増えることを期待している」

ーー一人っ子政策の撤廃ですが、出生率は今も下がり続けています。

「この点については、大都市と中小都市に分けて考える必要がある。大都市では出生率が下がり続けているが、中小都市では状況が異なる可能性がある」

「また、人口はあくまで注目する要素のうちの一つだ。世界は日々変化するもので、変化が起きたときには必ずチャンスが生じる。テンセントはそのチャンスを的確に捉えられるように準備しており、私のチームもそうしたチャンスを待っている」

(翻訳・小六)

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