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アップルやバイドゥらテック企業が自動車製造に乗り出す、技術面にアドバンテージ

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ハイテク業界でここ2カ月に最も流行ったキーワードは「自動車製造」だ。米アップルや中国のファーウェイ(華為技術)、バイドゥ(百度)、アリババ、テンセント(騰訊)などのテック企業が多かれ少なかれ自動車製造に乗り出した。

昨年12月にバイドゥとアップルが自動車製造に着手した。今年1月には自動車製造中国最大手の「上海汽車集団(SAIC Motor Corporation)」やアリババグループらが電気自動車(EV)メーカーの「智己汽車(Ziji Motor)」を設立すると発表。また、「長安汽車(Changan Automobile)」、ファーウェイ、車載バッテリー大手「寧徳時代(CATL)」も業務提携を発表済みで、さらにテンセントが加わるとも言われている。

自動車セクターに投資するのみだったテック大手が自ら製造に乗り出した。なぜ自動車製造を始めるのだろうか。「トレンド」と解釈されそうだが、実情はそう単純ではない。背景にはテック大手の技術と経験に加え、資本市場の要求と期待もある。

資本市場の動きを見ると、自動車製造計画が報じられたバイドゥの米国上場株は昨年12月15日に13.83%の大幅高となった。株価はそれから1カ月余り上昇を続け、昨年11月に500億ドル(約5兆2700億円)足らずだった時価総額は900億ドル(約9兆4900億円)に迫っている。

自動車を製造するという発表だけでまだ車輪すら完成していないにも関わらず、バイドゥの時価総額は過去最高に迫ったのだ。

この状況は新エネルギー車の盛り上がりを思い出させる。EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」の時価総額がメルセデス・ベンツの親会社ダイムラーを超え、米テスラ(Tesla)の時価総額がガソリン車大手数社の合計時価総額に達した時、市場参加者の多くは「バブル」が起こったとの見解を示していた。

しかし、「バブル」という言葉だけでは状況を説明しきれない。

株式市場には株価収益率(PER)という指標があり、時価総額が同じならPERは純利益が少ないほど高くなる。

PERが高い企業とは、今は利益が少ないが、将来的に大きな利益を稼げると投資家が期待していることを示す。

中国や米国のテック大手はだいたいPERが2ケタとなっている。

テスラに至っては驚くほどの水準に達している。

一般的に企業がある分野で成功した後も継続的に株価を上げようとする場合、最も効果的な方法は新事業を開拓することだ。どんな事業であれ、すぐに利益をもたらさなくても可能性を感じさせられれば良い。

数年前のバイドゥを振り返ると、検索事業が大きな利益をあげていたにも関わらず、新規事業の開拓が進まず株価は低迷していた。そのため、PERはテックセクターでは低い水準にとどまっていた。

もしあなたがバイドゥの社長だとしたら、PERが4ケタに達するテスラや時価総額がベンツを超えたNIOを見て、急いで自動車製造に乗り出すだろうか。

まだ車輪も完成しない中、投資家はバイドゥに資金を投じている。だがバイドゥの自動車製造が、過去に振るわなかったデリバリー事業や決済事業、ライブ配信と同じ道をたどるなら厳しい結末を迎えるだろう。

未上場のファーウェイを除き、上場しているテック企業、さらには不動産企業までが異業種の自動車製造を計画しているのは各社とも株価を気にしているからに違いない。

資本市場の要求がなくとも、自動車製造においてテック大手にはチャンスとアドバンテージがある。

テック企業が掲げる「スマートカー」の旗印には電気自動車と、それに伴うテレマティクスや自動運転などの技術が含まれる。ここにテック企業のチャンスとアドバンテージがある。

電気自動車はテック企業にチャンスをもたらす。過去100年にわたり自動車は世界で最も参入障壁の高い業界だった。ドイツや日本の自動車大手がエンジンやトランスミッションといったコア技術を企業秘密にして新規参入を阻んでいた。

ところが従来型のエンジンやトランスミッションを必要としない電気自動車はガソリン車の技術的な壁を打ち破った。そして自動車製造の経験が無かったテスラやNIOなどが旋風を巻き起こしている。

自動車製造は新勢力でも手掛けられるが、資金面などにおいて大きな実力を持つ中国と米国のテック大手には当然チャンスが増える。

テレマティクスと自動運転技術はテック企業にアドバンテージをもたらす。ここ数年はほとんどのテック大手がこの二つの技術開発に取り組んでおり、昨年にはバイドゥの自動運転プラットフォーム「Apollo(アポロ)」が北京で一般ユーザーに公開された。

高いプログラミング能力とアルゴリズム構築力を要する新技術はガソリン車メーカーが最も苦手としている。独フォルクスワーゲンの新エネルギー車「ID.3」は車載ソフトウエアの開発に時間がかかり、納車が2019年から昨年9月にずれ込んだ。

こうしてテック企業はアドバンテージを得ると同時に従来型自動車メーカーとの提携における交渉力も高め、主導権を握ることとなった。

テック企業の自動車製造は不動産企業よりも期待が持てると言えるだろう。

作者:WeChat公式アカウント「億欧網(ID:i-yiou)」、X科学実験室

(翻訳・神戸三四郎)

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