中国版TikTokが国内EC事業に本腰 年間GMV16兆円の強気目標を達成できるか(一)

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中国版TikTokが国内EC事業に本腰 年間GMV16兆円の強気目標を達成できるか(一)

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2020年の「ホットキワード」を挙げるとすれば、ライブコマースは間違いなく上位に食い込むはずだ。そのライブコマース業界の重鎮と言えばアリババ運営の「タオバオライブ(淘宝直播)」、人気ライバー(ライブ配信者)のツートップは李佳琦(Austin)と薇婭(viya)だろう。

しかしランキングサイト「新榜(Newrank.cn)」などがまとめたデータによると、ライブコマースを行う全プラットフォームを対象にした「2021年1月ライバーランキング」で、上位5位のうちタオバオのライバーが3人、ショート動画「抖音(Douyin、TikTokの本国版)」がそれに次ぐ2人だった。上位10位以内で見ると、同じくショート動画の「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」と抖音からそれぞれ3人がランクインしており、タオバオの4人に肉薄している。

(画像出典:新榜)

人気ライバー数とプラットフォームのGMV(流通総額)で言えば、タオバオ、抖音、快手がライブコマースのビッグスリーだ。このうち出足が遅れた抖音はこれまで人気ライバーの獲得競争で劣勢を強いられてきたが、ここに来て目覚ましい追い上げを見せている。

とはいえ、人気ライバー争奪戦は抖音にとっての最重要課題ではない。抖音は昨年6月にEC事業部門を立ち上げてからライブコマース事業の強化に乗り出しており、ECプラットフォーム「抖音小店(Douyin Xiaodian)」のリリース、ライブコマースから外部プラットフォームへのリンク廃止、決済サービス「抖音支付(Douyin Pay)」の開始などにより、EC取引のクローズドループを作り上げた。

抖音が今年2月の春節に合わせて開催した17日間のお正月商品キャンペーンでは、決済総額が208億元(約3400億円)に達し、ライブ配信視聴者の延べ人数が143億人、コメントは19億回以上を記録した。

抖音EC事業の年間GMVは2020年に5000億元(約8兆1700億円)を超え、前年から3倍以上に増加した。2021年は1兆元(約16兆円)の大台を目標に掲げている。

ライブコマースは抖音がEC事業を展開する上での重要な手段だ。抖音のGMVには自社プラットフォーム抖音小店での購入以外に、ライブ配信やショート動画からタオバオなどの外部プラットフォームに飛んで購入手続きを完了したものも含まれている。

2020年のGMVのうち抖音小店の比率は全体のわずか5分の1に過ぎなかったが、抖音は今年この自社EC事業を大幅に強化し、自社由来のGMV比率をさらに押し上げたいと考えている。ビジネスメディア「晩点(LatePost)」はこの比率を40%前後、GMV目標1兆元のうち4000億元(約6兆5000億円)と予測しているが、これはタオバオライブの2020年GMVに迫る数字だ。

2019年にはEC大手3社のGMVが大幅に伸び、アリババは1兆ドル(約105兆円)、京東(JD.com)は2兆元(約32兆円)、新興ソーシャルECの拼多多(Pinduoduo)が1兆元(約16億円)の大台をそれぞれ突破した。快手のGMVは2020年1~11月に3326億元(約5兆4300億円)に達している。桁違いの業績を誇る大手や強力なライバルがひしめく業界で、抖音がGMV目標を達成するうえでカギを握るのは何か。

後編:トラフィックを制するものが激戦を制す

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