日本の「萌え経済」が中国でも広がる ペット用品「一拾吾」、IP商品で萌える若者に照準

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日本の「萌え経済」が中国でも広がる ペット用品「一拾吾」、IP商品で萌える若者に照準

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IP(知的財産権)ビジネスはアートトイブランド「POP MART(泡泡瑪特)」のヒットで改めて発行市場に重視されるようになった。一方、ペット市場は1兆元(約17兆円)規模だが、国内では開拓途上の市場だ。

ペットIPブランド「一拾吾(Yishiwu)」は、Z世代の若者向けにIPを使ったペット用品を販売する。昨年から販売を開始し、現在は6SKUを取り扱う。平均単価は100元(約1700円)前後で、爪とぎボード、食器、寝具、ペットキャリー、ベッド、玩具など個性化ニーズの高い品目を主に扱い、ケア用品や猫砂も揃える。昨年は単月で約100万元(約1700万円)を売り上げた。

同社は中国の伝統デザインを取り入れた商品が若いユーザーに人気があるのに目をつけ、故宮博物院のIP管理会社と提携して宮廷文化をデザインしたペット用品を開発。いずれは日用品にまで製品を拡充する予定だ。

創業者のJane氏は、現在中国では萌え文化による消費が新たに伸びており、日本の事例を参考にすると、今後ペット産業が萌え経済の成長を刺激すると予想する。

中国の萌え文化の担い手は主に1995年以降生まれの若者だ。TikTokの中国版「抖音(Douyin)」などのショートビデオプラットフォームではかわいいペットのコンテンツが常にトップ5に入るが、視聴者の70%近くはペットを飼っていない。また萌えペットは近年、広告やマーケティングに頻繁に取り入れられ、多くの若者を引きつけている。

Jane氏によれば、IP成立の可否においては消費者が感情移入できるかがカギを握るという。ペットを飼う若い人はペットを家族や友人とみなし、感情的つながりが生まれる。また、ペットを飼う人のニーズは個性化が進み、商品デザインやマーケティングの余地は大きい。従って、ペット用品はIPビジネスの可能性を備えているうえ、ペット用品はインテリアの一部分であり、ラインナップを拡充できるとしている。

一拾吾のIPは主に3種類だ。故宮のような他社のIP、人気玩具のIP、そして自社開発のIPだ。

一拾吾の製品開発はユーザー参加型だ。ユーザーが製品コンセプトの評価、サンプルの使用に参加し、デザイン選びや価格についてもユーザーが投票する。

同社は輸出経験のある工場と提携している。またペット用品は見た目と商品体験が基本であり、新商品発売や商品のアップグレードのスピードに対する要求も高いとみている。

一拾吾のブランドデザイン

一拾吾の販路は直営店と販売代理店だ。直営店はアリババ傘下のECモール「タオバオ(淘宝網)」とWeChat(微信)のミニプログラム。一方、代理店は実店舗のペットショップチェーン店、オンラインではタオバオやアリババ傘下のB2Cモール「天猫(Tmall)」などで、台湾やオーストラリアにも代理店があり、500店以上に上る。

同社は贈り物や会員向け贈呈品としてのペット用品も有効な販路とみている。

若いユーザーは見た目がよく、ストーリー性があり、シーンが思い浮かぶ商品と体験を好み、IP+萌え経済には製品、サービス業態や娯楽コンテンツにおけるさまざまな事業拡大の可能性があるとJane 氏は話す。

同氏はユニリーバおよびテンセント出身、また共同運営パートナーはテンセントおよびアリババ出身で、共に消費財+インターネット業界で約10年の経験がある。デザインパートナーはデザイン業界での9年の経験を有している。

(翻訳・二胡)

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