地方の若者にフォーカス マッチングアプリ「PicoPico」が数億円を資金調達

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地方の若者にフォーカス マッチングアプリ「PicoPico」が数億円を資金調達

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マッチングアプリの「PicoPico」が、2020年に行った2度の資金調達で計数百万ドル(約数億円)を調達したことが明らかになった。出資者は「Susquehanna International Group(SIG)」や「ベルテルスマンアジア投資基金(BAI)」などのドル建てファンドで、「遠識資本(Foresight Capital)」が単独で長期的な財務顧問を務めるという。

PicoPicoは2020年に「北京青牛出関科技(Beijing Qingniu Customs Clearance Technology)」傘下のSNSアプリとしてリリースされた。青牛出関は趣味・娯楽にフォーカスし、地方都市の若者層をターゲットユーザーとしてきた。これまでにPicoPicoと「今晩恋愛」をメインにしてQQミニプログラムでコミュニティグループを構築している。

青牛出関の創業者である王新米CEOは、地方都市の若者層とは三~五級都市で生活する16~35歳の若者を指すとした上で、彼らは一~二級都市の若者と比べて就業時間が短く、余暇の時間が長く、消費力も高いため、インターネットを利用した趣味・娯楽消費の主力層になっていると指摘する。また、開発チームの調査により、地方都市の若者たちは孤独感が強く、出会いを求めていることが分かったという。彼らはSNSを活発に利用し、趣味や娯楽への支出を惜しまない。SNSの中で自己顕示欲を満たし、友だちの輪を広げ、交際相手を見つけたいと願っている。そこでPicoPicoは、より親密感が長続きするようなコミュニティーを作った。

「PicoPico」

マッチング直後のアンインストールを避けるため、PicoPicoはユーザーが「情熱」や「ドキドキ」のシーンに参加するだけでなく、「親密」や「共感」の関係を発展させられるように設計されている。ユーザーは共通の興味をキーワードとした「家族」グループに加わることができる。グループは15人からスタートし、より大きなコミュニティーに成長させられる。グループに加わることで長期的な関係が構築され、親密感や帰属意識が生まれるため、アプリの継続利用にもつながる。

また、これまでのリアルタイムでのマッチングアプリとは異なり、PicoPicoは「非同期音声マッチング」を採用している。PicoPicoの特徴である恋愛マッチング機能は、人気ショート動画アプリ「TikTok(中国国内版は「抖音」)」のデュエットと似ている。「甘いささやき」「おやすみの一言」「性格の理解」などのチャネルを選択すると、画面右側にマッチングしたユーザーからのメッセージ音声が表示され、あたかも隣同士で対話をしているかのようになる。PicoPicoは、ユーザーの位置や年齢などの情報の他、オンラインの利用度や返信率なども考慮したマッチングで、1対1のチャットシーンをより盛り上げる仕組みになっている。これらの機能により、ユーザーのアプリ利用時間は1日当たり1時間以上に達している。

「PicoPico」

王CEOは、PicoPicoのコミュニティーには「おばか」でちょっとダサいムードが漂っており、上品で文芸的なレベルには程遠いが、温かく誠実な交流をしたいしたいというニーズに応えていると説明。ユーザーにはPicoPicoを通じて「真心やリアルな生活」そのものを見てもらいたいと述べている。

PicoPicoの現在のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は約30万人。売り上げは主にバーチャルのツールやプレゼントによるもので、1カ月当たりの売上高は100万元(約1600万円)を超えている。QQミニプログラムのDAUも200万人に達している。王CEOは、SNSの本質は心を満たすことにあるという。開発チームは今後、自己アピールやコミュニケーションなどのニーズをベースにサービスを強化する方針だ。「家族」機能をPicoPicoの次なる重点とし、ポッドキャストとコミュニティールームを行き来できるプロダクトをリリースする計画だという。

青牛出関は開発部門を北京に置いている。メンバーはバイドゥ(百度)、女性向けSNSの「美麗説(Meilishuo)」、シャオミ(小米科技)、滴滴(DiDi)、テンセント(騰訊)の出身者で構成されている。王CEOは美麗説の共同創業者で、シリアルアントレプレナーとしても知られている。
(翻訳:lumu)

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