中国ビットコイン採掘大手、高精度顔認証デバイスをリリース 兵器庫や金庫へ応用

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世界有数の仮想通貨マイニング及びカスタムIC(特定の製品のために、顧客の仕様に合わせて設計・製造される集積回路のこと)の研究開発を行う企業「「比特大陸(Bitmain)」の傘下で、AIによる3Dビジョン技術を手掛ける「庫克智能(Kuke3D)」が、マルチモーダル型の生体認証をサポートする3D顔認証デバイス「KK3D-MK1」の新製品をリリースする。

KK3D-MK1の第一世代製品は金庫、兵器庫などに代表される個人識別に対して高いセキュリティが要求される場面で使われている。顔認証の速度は0.4秒以下で、識別率は利用場面に応じて最高で99.999%に達する。このように重要な場面での実用化が可能となったのは、3Dビジョンによる顔認証が2D方式の抱える2つの大きな問題を解決したからだ。その問題とは広い場所における誤認識とディープフェイクなどを使ったなりすましによって顔認証を突破されることだ。第二世代のKK3D-MK1は2Dの顔認証デバイスと同程度の価格になり、さらに多くの場面での利用が見込まれる。

2Dの顔認証システムは成熟しているが、たびたびセキュリティインシデントが起こっている。プリントアウトした写真やスマートフォンに保存した画像などで顔認証をごまかしてマンションに入ったり、スマート宅配ボックスの中の荷物を勝手に取ったり、あるいは3Dマスクなどを使って他人の顔を装い決済を済ますこともできる。

このようなことが起こるのは人の顔が平坦ではないため、2Dの顔認証では顔の特長情報の損失が避けられないためだ。さらに姿勢、光の反射、表情などの要素が影響を与えることで、2Dの顔認証には潜在的なセキュリティリスクが生じる。

「3Dが2Dに取って代わることは、5Gが4Gに取って代わるのと同じことだ」と庫克智能のRoger CEOは考えている。同社は2Dより多い特徴情報に加えて、3D画像処理、ディープラーニングを用いた3Dアルゴリズムおよびエッジ側での処理などの要素を盛り込み、廉価な第二世代のMK1製品を開発した。

2Dと3Dの顔認証の違い

現在、中国国内で3D顔認証を手掛けているのは庫克智能だけではなく、アリババ傘下のモバイル決済サービス・アリペイ(支付宝)も3D顔認証技術によって決済市場におけるシェアを広げようとしている。顔認証大手の「センスタイム(商湯科技、SenseTime)」は両眼立体視による3D顔認証技術を開発している。これらの技術と庫克智能の違いは下記の点にある。

利用される場面に基づいた技術開発

現在、庫克智能の3D顔認証システムは中国の六大銀行のうちの1つで実用化されており、ある支店では庫克智能の3D顔認証システムを利用して金庫に出入りする担当者の認証を行っている。この仕組みには3D顔認証用のスマート端末とリモート監視システムが提供されている。これまで銀行の金庫に入る際には、一般的に指紋とスクリーン映像をコントロールセンターに送信して本人確認が行われ、人手に大きく依存していた。庫克智能の3D顔認証システムであれば、担当者の顔認証は数秒で完了し金庫へ入ることができるため、時間も短縮できセキュリティも高い。

Roger CEOが参入ハードルの高い金融業界を市場へ切り込む第一歩として選んだのは、この市場に大きな可能性があると考えたからだ。金融業界は高いセキュリティが求められ、従来の2Dによる顔認証ではそのニーズを満たすことができない。既存の2D顔認証や従来の生体認証は誤認率が高く、なりすましのリスクやセキュリティインシデントが発生しやすいが、3D顔認証はそのような課題を解決できる。

金庫での3D顔認証の利用

低コストかつ明確なビジネスモデル

同社のコアメンバーにはファーウェイ、クアルコム、メディアテック、インテルなど業界大手の出身者が占め、3D画像処理の基礎アルゴリズムとチップコンピューティングに精通したメンバーを抱えている。また、3D技術に精通した人材を抱え、開発スピードが速かったことにより、庫克智能は少なくとも半年から1年程度、他社に先駆けて市場をリードしている。

新製品の収益モデルは、製品価格とメンテナンス費用、プラットフォームの管理費用だ。価格が2D顔認証と同等であれば、顧客は優位性が明確な3D顔認証製品を選択する。庫克智能が2D顔認証と同程度の価格を実現できたのは、3Dアルゴリズムとコンピューティングをカギとなる部品に任せ、製品コストを極限まで下げられたからだ。

Roger CEOによると今年の下半期には一般消費者向けに顔認証だけではない3Dビジョンの新製品をリリースする予定で、それは「新たな可能性を生み出す」製品とのことだ。

(翻訳・普洱)

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