バイトダンスのゲーム事業にすでに2000人ものチーム ようやく大作タイトルを発表か

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

バイトダンスのゲーム事業にすでに2000人ものチーム ようやく大作タイトルを発表か

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

動画投稿サイトTikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)は、スマホゲームに力を入れている。同社傘下のゲームブランド「朝夕光年(Nuverse)」は、北京、上海、杭州、深圳にそれぞれスタジオを持ち、さらにパブリッシャーとしても深圳と上海にスタジオを持っている。2020年4月時点で同社のゲーム事業はすでに1000人以上の人員を抱え、2020年末にはさらに1000人増やしたという。そしてこの度、大学新卒者からの採用も始めており、さらなる大所帯になるだろう。今回はそのなかの杭州スタジオと上海スタジオの状況を概観し、朝夕光年の現在の状況を考えてみたい。

杭州:400人体制で4タイトルを開発

朝夕光年の杭州スタジオは「江南スタジオ」とも呼ばれ、2019年2月に設立された。ここでは世界市場向けのヘビーユーザーを対象としたゲームや、バーチャルアイドルの開発が行われている。

杭州スタジオのメンバーは約400名で、ともに米エレクトロニック・アーツ(EA)、仏UBIソフト、テンセント、網易(ネットイース)など大手ゲーム会社から移籍してきたメンバーである。現在開発中のタイトルは次の4つだ。

1つ目はサバイバルシューティングゲーム。ディストピアの世界で生き残ることをゴールとし、マルチプレイ前提のサードパーソン・シューティングゲームだ。

2つ目もマルチプレイのゲームで、より競技性の強いものとなっている。競技性の強いものは、バイトダンスが運営するショート動画プラットフォームとの相性がよいため、このタイトルは特に重要視されているという。

3つ目は女性向けの恋愛推理ゲームで、現在入手できる情報を見る限り、中国の「Papergames」が開発した「恋とプロデューサー」と似たものになると思われる。

4つ目はバーチャルアイドルを育成するゲームだ。プレイヤーはゲーム内のキャラクターを操作し、ゲーム内でライブ配信を行うなどしてキャラクターを育成する。最終的にはゲームから人気バーチャルアイドルを選出し実際にデビューさせる計画もあるようだ。

上記4タイトルのほか、杭州スタジオではゲームの開発エンジン、開発フレームワーク、グラフィック、音響、映像など基礎的な技術開発も行っている。今後会社全体の開発効率を上げ、よりクオリティの高いゲームを制作するための準備だと言える。

上海:大作ゲームがようやく登場か

朝夕光年は4つのスタジオを持ちながら、これまでカジュアルゲームを発表するだけで、大作と言える新作ゲームを世に出すことができていない。ゲーム業界の新参者だけに、まだ運営のノウハウが足りないのだろう。それを裏付けるように、今年始めに、上海の「一零一スタジオ」のトップが開発の遅れの責任を取る形で辞任した。

しかし、どうやらその一零一スタジオからようやく大作が登場するようだ。同スタジオは外部IPのゲーム化をメイン業務としており、現在、人気漫画『ワンピース』を元に2タイトルの開発を進めている。そのうちの『航海王』というMMO(大規模多人数型オンライン)ゲームが、今年5月27日にローンチされる予定だということがわかった。

『航海王』は中国の大手ゲーム会社「中手游(CMGE)」が開発し、朝夕光年はパブリッシャーということになっているが、朝夕光年の内情に詳しい関係者によると、同社は開発にも深く関わっており、事実上同社初のMMOとなる。

ゲーム開発と同時に、朝夕光年は企業の買収等を続けている。北京、上海、深圳、杭州にスタジオを持つことは記述の通りだが、今年の同社の新卒募集情報を確認すると、勤務地に広州、成都が追加されていることがわかる。成都には多数のスマホゲーム企業があるため、朝夕光年がそのうちのどこかを買収し、新しいスタジオを立ち上げる可能性があるだろう。

4年前にゲーム事業を開始したバイトダンス。2021年は同社にとって実り多い一年になる可能性が高いだろう。

原作者:競核(WeChat ID:Coreesports) 朱涛偉

(翻訳・小六)

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録