ユーザー数2億人超、微医(WeDoctor)が香港上場へ 中国オンライン医療の4強が出揃う(上)

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オンライン医療サービス大手「微医(WeDoctor)」が4月1日、香港証券取引所へ目論見書を提出した。

企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、微医はこれまでに累計で少なくとも17億7000万ドル(約1900億円)の資金を調達しており、主な出資者は「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)」「テンセント(騰訊)」「五源資本(5Y Capital)」となっている。

目論見書によると微医は自らを中国最大のデジタル医療サービスプラットフォームと位置付けており、診察予約、診療、問い合わせ、医療費の精算、調剤を含むオン/オフラインを一体化した医療相談および診断サービスの提供を行うとしている。

微医は現在オンライン対応可能な病院を27軒運営しており、これまでに約4000万回のオンライン医療相談サービスを提供してきた。プラットフォームの登録ユーザー数は2億2000万人で、有料ユーザー数は月平均2500万人となっている。

過去3年間で微医の業績は倍増し、売上高は2018年の2億5500万元(約40億円)から2020年には18億3200万元(約310億円)になっている。しかし利益面ではここ数年間大幅な赤字となっており、2020年の調整後の純損失額は8億6900万元(約150億円)に達した。

今回、微医が上場に成功すれば、香港証券取引所で4番目のオンライン医療関連株となる。すでに上場しているオンライン医療の三大企業は、中国EC大手「京東集団(JD.com)」傘下の「京東健康(JD Health)」、アリババ傘下の「阿里健康(アリヘルス)」、保険大手「中国平安保険集団(Ping An Insurance)」傘下の「平安好医生(Ping An Good Doctor)」で、4月1日現在、3社の時価総額はそれぞれ3643億香港ドル(約5兆1300億円)、3122億香港ドル(約4兆4000億円)、1185億香港ドル(約1兆6700億円)となっている。

アリババ、京東集団、平安集団をそれぞれ後ろ盾としている京東健康、阿里健康、平安好医生に比べて、微医はこの分野の純粋なスタートアップであり、自力で上場までこぎつけた。微医が加わって4強となったオンライン医療業界は、今後どように進むのか。

設立から11年で売上高300億円超

微医は2010年に「掛号網(Guahao.com)」という名称でサービスを開始し、2015年にサービス名を微医に変更した。

2020年に突如流行した新型コロナは、この業界に予想外の新たな局面をもたらした。新型コロナの流行期間中に患者と医者双方のデジタル医療サービスへの許容度が著しく上がり、オンライン医療サービスのニーズが大幅に増加した。国家衛生健康委員会の資料によると、この期間中にサードパーティのプラットフォームによるオンライン診療サービスは2020年の新型コロナ流行期間中に前年同期比約20倍に成長した。

微医は設立から11年の間にデジタル医療を追求し、オン/オフラインを一体化した医療相談や診療などの医療関連サービス、慢性疾患管理やヘルスケアに重点をおいた健康サポートサービスの2大サービスを着実に構築してきた。

画像提供:微医の上場目論見書

ユーザーは微医のモバイルアプリとヘルスケアデバイスを通じて、オンラインでの診察予約、病院での初診、病歴の取得、リモートでの再診、電子処方せんの発行、調剤サービスなどを利用でき、さらに公的医療保険および民間健康保険による医療費の精算が可能となる。

ヘルスケアに関しては、会員制のサービスモデルを採用している。オンライン病院の機能をいかして、微医は中国初となる公的医療保険による費用精算が可能な慢性疾患管理サービスをリリースした。会員は個々に合わせた治療とリハビリ計画の提供を受けられ、オンラインでの継続的な再診、処方の継続と薬の配送、身体の主要な数値のモニタリングおよび食事や健康、運動などに関する個別アドバイスを受けられる。2020年末時点で微医の慢性疾患管理サービスの会員は累計で14万5000人を超えており、会員1人あたりが払う費用は平均約3600元(約6万円)となっている。

慢性疾患のない健康な人へのサービスとしては、顧客企業の従業員やデバイスの利用ユーザーにオンライン診療、病院の紹介、健康モニタリング、健康指導などを含むヘルスケアサービスを提供している。2020年末時点で200社を超える顧客企業に同サービスを提供しており、累計で1900万人以上のユーザーを抱えている。

収入構造を見ると医療関連サービスと健康サポートサービスが微医のビジネスを支える2本柱となっている。2020年の医療関連サービスの売上高は、総売上高の38.6%を占める7億700万元(約120億円)で、健康サポートサービスの売上高は61.4%を占める11億2500万元(約190億円)だった。

過去3年間、微医の年間売上高は2億5500万元(約40億円)、5億600万元(約80億円)、18億3200万元(約310億円)と推移している一方で、調整後の純損失は4億1500万元(約70億円)、7億5700万元(約130億円)、8億6900万元(約150億円)となっており、純損失率はそれぞれ-164%、-150%、-47%だった。

医療業界で上場する企業はまだ少なく、その中でもオンライン医療業界はまだ初期段階にある。

後編:オンライン医療四大企業の違い
(翻訳・普洱)

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