シャオミ系列企業、掃除ロボット開発大手「Roborock」もEV製造へ参入

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消息筋によると、スマホ・IoT家電大手のシャオミのエコシステムに属する企業である「石頭科技(Roborock)」が自動車製造に乗り出した。同社創業者でCEOの昌敬氏が自動車企業を新設したのだ。同社が開発するのは新興EVメーカーの「理想汽車(Li Auto)」と同じレンジエクステンダー式EVであり、最初の車種はオフロードカーとなる予定だ。

石頭科技は2020年末から自動車開発を進めており、新設した自動車企業のエンジェルラウンドでの資金調達後の評価額は2.4億ドル(約260億円)だ。新企業には石頭科技の株主である「高榕資本(Gaorong Capital)」、「北極光創投(Northern Light)」などが出資しており、経営陣には「威馬汽車(WM Motor)」の元CTO(最高技術責任者)閆楓氏が加わっている。

この件について石頭科技からコメントを得ることができなかった。

石頭科技はシャオミが出資した企業のなかでも比較的成功した企業で、主な製品は掃除ロボットだ。同社は2020年2月に上海証券取引所の科創板(スターマーケット)に上場し、現在の時価総額は770億元(約1兆3000億円)となっている。

シャオミは3月末に自動車事業への参入を発表したばかりだが、現時点で入手できる情報を見る限り、石頭科技の自動車事業との関連性はなく、資本提携も行われていない。内情に詳しい関係者によると、シャオミは自動車産業の将来を見据えた戦略的な決断として参入したのに対し、石頭科技はCEOの昌敬氏が個人的な関心から決断したようである。

昌敬氏は大学でソフトウェア・エンジニアリングを専攻。卒業後はテンセントのシニアプロダクトマネージャーや、画像編集ソフトを開発する企業の起業などを経て、2014年に石頭科技を創設。石頭科技は創業当初から、最新の技術を大胆に採用していた。

代表的なのが、LDS(レーザー距離センサー)を中心に掃除ロボットの開発を行ったことである。この技術を元に、同社は2014年9月中旬に投資家向けにSLAM(自己位置推定とマッピングの同時実行)技術の実演を行い、シャオミからの投資を獲得し、シャオミから掃除ロボットの開発を委託された。

掃除ロボットに使われるレーザー距離センサーやSLAM技術は、自動運転にとっても重要だ。昌敬氏は取材に対し、「掃除ロボットのレーザー距離センサーは、グーグルの自動運転車と同じメカニズムで、当社は自動運転技術を掃除ロボットに応用したといえる。位置推定とマッピング技術も同様だ」と話したことがあり、自動運転を意識していることは明らかだ。

中国の新興EVには「蔚来汽車(NIO)」、前述の理想汽車、「小鵬汽車(Xpeng)」があり、さらにバイドゥ、シャオミが参入し、ファーウェイも可能性を否定していない。海外にはアップルのような巨大企業もある。それでも、石頭科技のような新規参入者にチャンスはあるのだろうか。

新興EVメーカーに投資している関係者によると、同市場には、企業数は多いが、まだカバーできていない市場もあるという。中国の新興EVはほぼすべて20万〜50万元(約340万円〜850万円)のミドルレンジ以上の市場をターゲットにしているが、20万元(約340万円)以下の大衆車市場ではまだ信頼度の高いブランドが現れていない。また、オフロードカー、作業車両にも十分大きな市場があるという。

そう考えれば、自動車企業への新規参入は、これからも増加し続けるだろう。

(翻訳・小六)

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